暴落の原因は…

直接の引き金は、5日の米国株式市場の急落だ。ハイテク株中心のナスダック総合指数は5.52%安、幅広い銘柄で構成するS&P500種株価指数は4.36%安、ダウ工業株30種平均も3.44%安となった。

半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は12%超下落。AI向け半導体大手エヌビディアは9%超安、AMDは17%超安と売りが集中した。S&P500の下落率は2025年4月の関税ショック以来の大きさで、ナスダックは直近の高値から約12%下落。株価の調整局面に入っている。

日本でも、アドバンテストや東京エレクトロン、ソフトバンクグループなどAI投資と関わりの深い銘柄が売られた。韓国では代表的株価指数KOSPIも8%超下がり、取引が一時中断された。米国だけの問題ではなく、世界的にAI関連資産の見直しが進んでいる。

SNSでも「株価暴落」がトレンドに入り、「血の海…」「ぎゃあああ」といった悲鳴に似た声が上がっている。

下落を加速させたのが、3日投開票の米中間選挙だ。アメリカのトランプ大統領は民主党のせいで株価が下落したとポストしている。

民主党が連邦議会の上下両院で多数派を奪還したうえ、州知事選でも躍進した。市場が懸念しているのは、急拡大するAI向けデータセンターへの規制強化である。

大規模データセンターは大量の電力と水を使う。電気料金の上昇、環境負荷、騒音などを理由に、米国内では建設への反対が広がっている。テキサス州では新規データセンター建設の停止を掲げた民主党候補が知事選に勝利した。

実際に規制がどこまで強まるかは不透明だが、建設計画が遅れれば、半導体や電力設備の需要にも影響しかねないとの見方が株価を圧迫した。ただし、規制が一斉に実施されると決まったわけではない。選挙結果だけで今回の下落を説明することもできない。