縮まる露出差と偏見を覆す名作
AKとBKの注目度の違いには、そもそもメディア露出の差があると、古くから指摘されてきた。関連書籍や関連グッズの企画はどうしてもAKが多く、放送開始前から動いていることもある。NHK側の人的リソースの差に加え、東京に拠点を置くメディア各社が取材に通いやすいというのも、AK側の利点だった。
しかし、コロナ禍を境にオンライン取材が定着して以降、状況は変わった。今はむしろBK朝ドラのほうが、制作統括などの囲み取材を頻繁に行うようになり、格差は減ってきている。
そんな中で象徴的だったのが、AK制作の『らんまん』だ。放送前から「AK制作」というくくりで色眼鏡で見る向きもあったが、始まると「AKなのに面白い」という驚きの声があがり、「今日の放送分で名作だと確信した」といったつぶやきが終盤まで続いた。松川さんは、「AK制作が〜、BK制作が〜」という声は特にここ数年目立つ傾向だと話していた。チーフ演出の渡邊良雄さんとは、「同じスタッフが作っているのにね」とよく話していたという(前出の記事より)。
作り手にとっては同じ仲間である。それでも、ファンにとって朝ドラは、半年ごとに「推し」と「ライバル」が入れ替わる、参加型の物語なのかもしれない。
文/田幸和歌子













