4人は、静止してホームに張り付いていた
不可解なのは、Eさんが作業員の一人に対し「ホーム下には雑草がないため除草薬散布作業を実施しない」と話していたことだ。
「そもそも草がなくて撒く必要がないんであれば普通にホームを歩けばよかった。にもかかわらず、ホームを歩かずにこの危険な場所に、3分という時間(しかないとの警告)の中でなぜ行ったのかはEに確認ができないので分かっていない」と佐藤部長も困惑を隠さない。
スペーシアXの到着時刻が近づく10時46分ごろ、列車見張り員は踏切のそばにいる中継見張り員に列車が来てないか無線で問いかける。見張り開始の指示を受けておらず、線路内で作業が行われていると思っていない中継見張り員は「踏切が鳴動している」と伝える。
それを聞き、特急が近づいてくるのを目視した列車見張り員は慌てて線路脇に逃げ、ハンドマイクの警告ブザーと声で線路内にいる作業員に接近を知らせたと本人は説明している。
だが列車見張り員は列車を停める赤色の旗を上げていない。さらに、運転士はむしろ「進入可」を意味する黄色の旗が上がっていたように見えたと証言しているという。
列車見張り員の近くにいた作業員2人と作業指揮者は線路から辛くも逃げることができた。だが除草剤が入った約11キロの噴霧器を背負ってその後方にいた53歳から67歳までの3人の作業員とEさんは間に合わなかった。
列車が駅構内に入った時、4人はみなホームに張り付いた状態で静止していたという。黄色い旗を見て問題がないと思っていた運転士は4人が“退避済み”の状態だと誤認して、通常の減速でホームに進入。そこで異音を感じることになったという。
責任者の交代。打ち合わせなしの作業。モノを言えない空気。上がらなかった赤旗…。あらわになったのは信じがたいルールの逸脱が大量輸送交通の足元に広がっていた現実だ。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













