「東京と神奈川の境目なんて、夜の町では誰も気にしない」

新宿・歌舞伎町では近年、大久保公園周辺の「立ちんぼ」が社会問題として大きく取り上げられてきた。

一方、都心から約30キロ離れた町田にも、規模こそ違うものの、路上で客待ちをしているとみられる女性の姿がある。

そして町田特有なのが、駅を出て数分歩いただけで警察の管轄も自治体も変わるという地理だ。

「飲みに来る人からしたら町田は町田ですよ。『ここから相模原だから』なんて考えながら歩いている人はいないです。店で飲んで、駅の南口を出てホテルに向かう。その途中で東京都から神奈川県に入ったなんて気づかない人も多いと思います」

東京と神奈川。

地図の上でははっきり引かれている一本の境界線も、夜の繁華街を歩く人たちにとってはほとんど意味を持たない。

だからこそ、「県境だから取り締まりに差があるのではないか」という噂も生まれやすいのかもしれない。

ただし、現時点で確認できる事実は、町田駅南口に隣接するラブホテル街の多くが神奈川県相模原市側にあることと、客待ち行為は法律や条例による規制の対象になり得るということまでだ。

「神奈川県警が取り締まらないから、立ちんぼが神奈川県側に集まっている」――。

SNSで語られたこの因果関係については、慎重に切り分けて考える必要がある。

取材・文/集英社オンライン編集部