アジア大会の最中、新型ミサイル試験を参観した金正恩氏の狙い

今大会で北朝鮮は、ウエイトリフティング女子の選手が世界新記録で金メダルを取ったほか、男女のサッカーもベスト8に進出するなど有力競技では順当に力を見せており、大会運営や日本との関係を意識せず、競技に集中している気配だ。

一方で北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は20日、「ジュエ」とされる娘を伴ってミサイル2発が発射された実験を参観したと朝鮮中央通信が22日に報じた。

9月20日のミサイル発射実験に立ち会った金正恩朝鮮労働党総書記と「ジュエ」とされる娘(写真/朝鮮中央テレビキャプチャー)
9月20日のミサイル発射実験に立ち会った金正恩朝鮮労働党総書記と「ジュエ」とされる娘(写真/朝鮮中央テレビキャプチャー)

北朝鮮側は兵器の名称を明らかにしていないが、公開写真などから、極超音速滑空体を搭載した短距離弾道ミサイル『火星砲11マ1型』の改良型との分析が出ており、朝鮮中央通信は「成功」と報道。

金正恩氏は「この試験は疑う余地もない先端国防技術力の誇示だ。軍事的側面でそのような(技術の)更新が何を意味するかは、説明せずとも敵の方がよく分かるはずだ。敵にはこの現実が不治の頭痛(のタネ)になる」と意義を強調した。

「問題は北朝鮮メディアが公開した写真です。金総書記父娘の前にあるモニターには地図とミサイルの航跡らしい線が映り、飛距離らしい『距離908.2キロ』との文字も見えます。ただし、これは北朝鮮側が公開した画面上の数値で、北朝鮮から韓国へ撃つには不必要に長い飛距離です。防衛省は2発の飛距離をそれぞれ約440キロ、約590キロと推定しています。日本を射程に含むミサイルの改良に成功したと見せつける狙いで写真を公開したとみられています」(日韓筋)

北朝鮮が9月20日に行なったミサイル発射実験(写真/朝鮮中央テレビキャプチャー)
北朝鮮が9月20日に行なったミサイル発射実験(写真/朝鮮中央テレビキャプチャー)
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真偽不明の亡命説が流れるほど日本を訪れた選手団が注目を浴びている間も、北東アジアの緊張は高まり続けている。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班