アジア大会を舞台に動く「日朝関係」
問題の報道は韓国誌「月刊朝鮮」が22日午後4時すぎにサイトで公開したもの。代表団2人が北朝鮮に戻らないとの意思を明らかにしており、「2人は韓国ではなく日本への亡命を望み、現在その可能性を打診している」との内容だ。
そしてこの情報は「日本の僑胞(同胞)社会内部の日本情報機関協力者を通じ入手された」とも書かれている。全国紙国際部記者が背景を話す。
「『月刊朝鮮』は朝鮮メディア系列の朝鮮ニュースプレスが出す総合月刊誌で、韓国情報機関の国家情報院に取材パイプを持つとみられるため、北朝鮮関連の秘密情報の報道もある程度信頼できると見なされています。それだけに今回も日韓両政府の情報担当者やメディアの中で騒ぎになりました」(国際部記者)
記事にはほかにも目を引く記述があった。
「記事は最初『内閣情報調査室の情報筋によると』と書かれていました。こうした記事では情報源は特定されないようあいまいに書くことが鉄則で、これほどクリアに示されることは異例です。ところが公開数時間後にその部分が『日本情報機関関係者によると』と差し替えられました。この経緯は不明です」(韓国紙記者)
事実なら日朝関係に大きな影響を及ぼしかねない話だけに、日本の大手メディアも一斉に事実関係の確認を進めた。だが、一部海外メディアが月刊朝鮮をそのまま引用する記事を出したほかは、同様の内容を報じた日本メディアは24日になっても現れない。
「日本の当局は『そんな情報はない』と口をそろえて否定しており、真偽が疑わしいとの見方が強まっています」(国際部記者)というのだ。
さらに同記者は続ける。
「情報源と明記された『内閣情報調査室』は今年7月に国家情報局に改組されて今はありません。国家情報局にいる内調出身者から情報を聞いて書いた可能性もありますが、こんな重要な部分が間違っているので、基本的なチェックが行われていないことが疑われます。
また、北朝鮮選手団の一員が亡命前にそのような意思を在日朝鮮人社会の同胞に明らかにするのかという疑問もあります。もし亡命希望者が出ても、安全に保護されるまでは日本政府当局者が簡単に認めたり、メディアが報じたりすることは考えにくく、月刊朝鮮が書いたような動きがないとは断定できませんが、その場合は、同誌の報道が亡命希望者の安全を脅かしたとの批判を免れないでしょう」













