売れるのに出店しない…551が守り続ける“できたての味”

551HORAIは公式サイトで、はっきりと「地元関西以外には出店しません」と説明している。

理由は、豚まんの“生地”だ。

551では大阪のセントラルキッチンで原材料を加工し、鮮度の高い状態で各店舗へ1日に2~4回配送している。なかでも重要なのが、豚まんの皮となる生地の発酵状態だという。

松坂屋上野店に出店された「551HORAI」の調理工程(写真/くろもんさん提供)
松坂屋上野店に出店された「551HORAI」の調理工程(写真/くろもんさん提供)
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物流にかかる時間まで利用しながら生地を適度に発酵させ、551独特の甘みとモチモチした食感を作る。その品質を維持できる範囲として設定しているのが「セントラルキッチンから150分圏内」なのだ。

だから東京に常設店を作らない。

一方、全国の百貨店催事では専用の催事チームが現地へ赴き、ミキサーなどの機材や材料を持ち込み、その場で生地から作るという。2026年3月の東洋経済オンラインの取材に対し、同社広報は、催事チームは2チームあり、年間スケジュールが埋まるほどフル稼働していると説明している。

全国で売れば、もっと売れるかもしれない。それでも効率や店舗数より、「いつもの551の味」を守ることを優先する。

関東に店がないからこそ、東京にやってくれば朝から人が押し寄せる。そして4時間待った豚まんを頬張り、「最高の贅沢」と喜ぶ人がいる。

皮の発酵状態を守るための「150分」という線引き。それが結果的に、551HORAIを「どこでも買える人気商品」ではなく、「わざわざ並んででも食べたい大阪名物」にしているのかもしれない。

取材・文/集英社オンライン編集部