祝い花だけじゃない…芸能関係者が語る名義無断使用の実態

一方、名前を使われる側の芸能界にとって、こうした「名義の無断使用」は古くから存在する悩みの種だ。大手芸能事務所の元広報担当者は、ため息交じりに自身の経験を振り返る。

「花は昔からありましたね。特に女性ファッション誌に出ているタレントはよく名前を使われました。個人の飲食店やエステ、美容サロンなんかに勝手に使われて、クレームを入れたこともありますよ。一方で、付き合いのある企業から『花代はこちらで払うから名前だけ使わせてください』と頼まれ、無下にはできずOKすることもありました。

これはウチのタレントではありませんが、なかには、お金をもらって花に名前を貸す個人事務所で活動されているタレントもいると聞きます」(大手芸能事務所の元広報担当者)

祝い花のイメージ(写真/PhotoAC)
祝い花のイメージ(写真/PhotoAC)

さらには、花を出すこと自体が「案件」になっているケースもあるという。

「辞めたフリーのタレントさんに多いのが、花も“案件”として10万とか20万もらって名義貸しをするという話です。花だけでなく、『お店に来ている』『常連だ』なんて嘘をSNSに載せられて、クレームを入れたこともあります」(大手芸能事務所の元広報担当者)

ワイルド系タレントを多数擁する、別の音楽事務所関係者も、水商売の店舗などで勝手に名前を使われる被害に遭ってきたと語る。

「10年くらい前は特に多かったです。日本中の飲み屋や水商売の店でやられていて、隣にブラッド・ピットの名前が並んでいて『あるわけねえだろ』と。有名税だと思ってスルーしていましたが、キャバクラのオープンなどで使われることが多かったです」(音楽事務所関係者)

しかし、近年はSNSの普及による「炎上リスク」から、デカデカと偽の祝い花を飾る飲食店は減少しつつあるという。

「今はSNSですぐ炎上しちゃうから、通報されるリスクがあって減っていますね。それでも港区などで、トランプとかゼレンスキーとかギャグでやっている店は結構ありますけどね」(音楽事務所関係者)

祝い花の中にはトランプ名義のものも……(写真/shutterstock)
祝い花の中にはトランプ名義のものも……(写真/shutterstock)
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目に見える祝い花の偽装が減った一方で、現代ならではのより巧妙で悪質な手口が芸能事務所を悩ませている。国民的歌姫を抱える別の音楽事務所の担当者が憤る。

「今は花が減った代わりに多いのが、SNSでの無断案件です。勝手にタレントの写真を使って『愛用している』と掲載されるんです。

虚偽の花は撤去させれば済みますが、こちらのほうがずっと残るしタチが悪い。個人インフルエンサーがタレントの顔を勝手に使って、根も葉もない来店情報を流す方が迷惑しています」(音楽事務所の担当者)

今回の楊国福の騒動については、

「まして、いま日本市場を開拓している中国発の企業でこうした事案が起きれば、一店舗だけの問題では済まず、ブランド全体の信用にも関わってくる。日本でこれから認知を広げていく段階だからこそ、加盟店を含めた管理はより重要だと思います」(同上)

と指摘した。

世界規模のチェーン店で起きた「自作自演」の祝い花騒動。SNS時代では、こうした行為が短期間で発覚・拡散し、店舗やブランドの信用を大きく損なう可能性があることを、今回の騒動は改めて示したといえるだろう。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班