「子どもの自由な発想でいろいろなことが分かっていく、その過程が面白い」
自由研究のテーマ探しに苦労する親子もいるだろう。だが、テーマは生活に身近なことでも構わないという。
「例えば、『今朝食べた朝ごはんのお茶碗に米粒が何粒あったか数えてみたい』といったことだって、非常に有益なことです。
結果だけを見れば『何粒』と出てくるわけですが、じゃあもう少し簡単に数える方法はないかとか、その米粒の数は一体どれぐらいの稲から取れるのかとか、次の一歩につながるように周囲が支援してあげるという形であれば、とても良いのではないでしょうか」
田村副所長は、国立科学博物館の研究施設に「ヤマイヌ」の一種として保管されていた剥製に疑問を持った小学生が、研究者らの協力を得ながら調査や観察を進め、結果的に「ニホンオオカミ」とみられることを共同論文で示した事例を挙げ、周囲の大人のサポートの重要性について次のように話す。
「もちろんご本人の発想や努力はすごいと思いますが、親も含めた周りの大人、例えば科学館や博物館などがサポートをしてあげるような体制がある、というのはとても大きいです。
子どもが『これを調べたい』と言ったときに、『専門家に聞いたほうがいいよ』などとアドバイスをするといったことであれば、大人は大いに関与してほしいです。加えて、『調べ方』に関するサポートも大切です。調べ方の順序だとか、子どもたちは知りませんから」
最後に、自由研究で保護者が抱きがちな「結果への期待」についてはこう指摘する。
「どうしても、『素晴らしい結果が出る』ということを期待しがちですが、本来であれば、プロセスや、子どもの気づきや発想の面白さを評価すべきです。正しい答えかどうかなんて分からないわけですから、親も含めた周囲の大人が、ある一方向に誘導するようなことは望ましいことではありません。子どもの自由な発想でいろいろなことが分かっていく、その過程が面白いのだと思います」
宿題として課されているかどうかにかかわらず、好きなことや興味のあることを見つけ、思う存分探究できるのが夏休みだ。子どもの発想や気づきを尊重し、必要なときにサポートすることが、大人の役割なのかもしれない。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













