金融庁が地方銀行に対して異例の警告
筆者だけでなく、自治体や国の住宅政策を担う方々も、新築から年月が経つ中で一定割合の住戸が中古として売り出され、大半は住みたい世帯に売買されていく――それがあたり前の中古マンション市場の姿だと考えられていたかと思います。
もちろん一部の住戸では非居住の個人や法人に渡ることもあり、需要が多いエリアでは価格が上がるものの、立地や利便性、建物の状態に応じた適正な価格が形成されていくという認識だったと思います。
しかし、自著『マンション高騰の真実』で見てきた実態は、その感覚を大きく超えるものでした。近年のマンションへの投資熱の高まりを背景にした力学が大きく作用しているものと考えられます。
実際、日本銀行の統計によると、2025年6月時点の不動産業向け融資残高は113兆8000億円と過去最高を更新しています。2026年2月、金融庁が不動産融資の拡大に懸念を示し、地方銀行に対して異例の警告を発したほどです。このように、銀行から不動産業者への融資も拡大し続けています。
海外の多くの大都市でも、住宅税制の見直しや空室税の導入など、「住む人」が主役となる住宅市場の回復に向けた政策が相次いで導入されています。
日本でも本格的に議論を始めるべき時期にきているのではないでしょうか。
文/野澤千絵













