墨田区・大田区・板橋区の中古マンションでは…

「それは都心の一等地だけの話ではないか」。

そう考える読者は多いでしょう。そこで、都心6区以外の区でも追加調査を行いました。対象は、国土交通省の調査で短期転売率が継続的に高い墨田区・大田区・板橋区の中古マンションです。いずれも駅から徒歩10分以内で子育て層にも人気の小学校区内に位置する、大手のマンションデベロッパーが手がけた中層のブランドマンションです。新築当初は、購入者の大半が自己居住目的の個人であり、竣工から10年前後が経過した物件です。

登記簿調査の結果、結論から言うと、いずれにおいても非居住の個人・法人による所有化がじわりと進んでいました。

本記事では、板橋区Gマンションを見てみましょう。図表「板橋区Gマンションの14年間の所有者の変遷」を見ると、このマンションでも大田区Fマンションでは、売買実績のあった住戸のうち、4割弱(11戸中4戸)が非居住の個人の所有になっており、法人への売買はありませんでした。
 

板橋区Gマンションの14年間の所有者の変遷(データ出典:登記簿調査に基づく)
板橋区Gマンションの14年間の所有者の変遷(データ出典:登記簿調査に基づく)
すべての画像を見る

板橋区Gマンションでは、売買実績のあった住戸のうち、6割が非居住の個人・法人の所有になっていました。

新築時に自己居住者が所有していた29住戸を見ると、売却後にも自らが居住する人が所有している住戸は約4割(12戸)で、残りの約6割は、非居住の個人や法人の所有へと変わっていました。また、法人による買取再販があったのは4戸、そのうち3戸は約1年以下の短期転売で、いずれも2019年以降でした。

なお、板橋区Gマンションでは約1.6倍※3にまで上昇しています。千代田区ほどの上昇幅ではないものの、都心ではないエリアでも、中古マンションが「住みたい人」ではなく「住まない買い手」に渡り続けながら、価格も上昇するという事態が起きつつあることを示しています。

ただし、非居住所有の進行状況や短期転売の動きは、立地やマンションのタイプによって異なるため、今後の住宅政策を検討する上でも、さまざまなエリアでの実態調査を継続していく必要があります。

※3出典:「イエシル」ウェブサイト(2026年1月時点)より作成