スマホは「旅を邪魔するもの」とは限らない

総務省の「上手にネットと付き合おう! ~安心・安全なインターネット利用ガイド~」は、スマホなどを子どもに使わせることの危険性だけでなく、将来に役立つ活用法も紹介している。

たとえば、子どもの興味や学びを広げる方法として、次のような使い方を挙げている。

「興味がいっぱいの時期だから好きな・興味のある動植物を動画でチェック。動物の生態や植物の成長が映像で学べます。旅行先のことを調べればワクワク感がアップ。知育アプリなどで“学ぶことの楽しさ”を体験…などなど、子どものプラスになる使い方はいろいろ。細かい部分は大きな画面のほうが見やすいので、タブレットやパソコンも有効に活用しましょう」

『総務省ホームページの「上手にネットと付き合おう! ~安心・安全なインターネット利用ガイド~」』より
『総務省ホームページの「上手にネットと付き合おう! ~安心・安全なインターネット利用ガイド~」』より

さらに、子どもにスマホなどを使わせるメリットは情報収集や学習だけではないという。離れて暮らす祖父母とビデオ通話をすれば、日常的に顔を見ながら交流できるほか、折り紙を教えてもらったり、絵本を読んでもらったりと、「リモートで一緒に遊ぶ」ための道具にもなる。

また、友人親子とのオンラインでの交流や、緊急時の連絡手段、電話のかけ方を練習する機会としても活用できる。使い方を工夫すれば、スマホは子どもの人間関係や生活経験を広げる手段にもなり得る。

つまり、問題はスマホを使うこと自体ではなく、何のために、どのように使っているかにある。

旅先で見つけた花や昆虫の名前を調べる。これから訪れる城や寺の歴史を動画で予習する。地図を見ながら次に行きたい場所を家族で探す。撮影した写真を離れて暮らす祖父母に送り、子ども自身の言葉で旅の出来事を伝える。

こうした使い方なら、スマホは現実の体験を遮断するものではなく、体験を深める道具になる。総務省のガイドも、未就学児から高齢者までを対象に、インターネットを安全かつ有効に利用するための情報を提供している。

親が一方的に「旅行中はスマホ禁止」と宣言するより、「この場所について一緒に調べよう」「撮った写真の中から今日の一枚を選ぼう」と誘うほうが、子どもも画面の外に関心を向けやすい。