「石破前総理の二の舞に」
党内保守派の西田氏は、過去2回の自民党総裁選で支援し、高市首相と近い関係にある。そんな“身内”が諫言したのはなぜか? 自民党税調関係者が明かす。
「税理士出身の西田さんは消費減税自体には賛成の立場ですが、今回のように2年間に限定して、拙速に進めようとするのは混乱を招くだけだと懸念を示しています。まずは物価高対策としてスムーズにできる現金給付をして、その間に経済をよくするための税制全体の仕組みの議論をしっかりとしてから決めるべきだと言っている。
彼の考えとしては、消費税を恒久的に下げて、その分、法人税を引き上げる。その上で、企業に単年度償却を認め、投資を促すべきだという主張です。ただし、そのためには議論の時間が必要です」
実は、西田氏のような、自民党の積極財政派の一部も、今回の高市総理の減税論には違和感を感じているようだという。
「そもそも積極財政とは、政府が国債発行により、税収以上にお金を使って、経済を回していこうという考え方のはず。ところが同じく積極財政主義者のはずの高市総理は今回、赤字国債に頼らず、予算の組み替えで対応する方針と言っている。党内の積極財政派の中には、高市総理の説明は『積極財政論としても論理矛盾があるのではないか』という思いもあるのでしょう」(同前)
朝日新聞の報道によると、西田氏は「正しくその場の状況を把握していただかないと、(少数与党で国会運営に苦しんだ)石破前総理の二の舞になる」と危機感も示したという。自民党のベテラン議員は、その真意をこう見ている。
「自民党は今年2月の衆院選で、食料品の消費税ゼロ化に向けて検討を加速すると公約に明記。その後の超党派の社会保障国民会議で議論を進めてきましたが、野党との意見集約は叶いませんでした。しかも、参院は未だに少数与党なわけです。このままいけば、野党が参院で消費税の引き下げに関する法案に、軒並み反対する可能性がある。
高市総理は、衆議院で可決された法律案を参議院が60日以内に議決しない場合、衆院で再可決できるという『60日ルール』を使えばいいと思っている節があるが、そんな簡単な話じゃない。そんなことをすれば野党との亀裂は深刻になり、今後の国会運営の大きな障害となる。さらに、調整に汗をかいている参院自民党の顔も潰すことになり、自民党のまとまりも損ないかねない」














