支援を求められない「見えない困窮世帯」
今回の調査対象は、「子どもの食 応援ボックス」に自ら申し込み、支援につながることができた世帯である。調査結果には、申し込み方法を知り、必要な情報を得て、手続きを完了できた家庭の声が反映されている。
その一方で、制度の情報不足や申請負担、困窮を周囲に知られることへの心理的抵抗などの理由から、公的支援や民間支援につながれていない家庭も存在するとみられる。
同団体は「子どもの食 応援ボックス」を、給食のない夏休みと冬休みに年2回実施している。7月30日の発表によると、2025年までに延べ4万7109世帯へ食料品を届けており、2026年の申し込みは過去最多の8736世帯となった。
支援の窓口に現れない家庭をどう把握するのか。担当者は、当事者、とりわけ子ども自身の声を継続的に聞く必要があると指摘する。
「今回の調査は、ご指摘の通り、あくまで『子どもの食 応援ボックス』に申し込んだ8,736世帯を対象としています。その背後には、『子どもの貧困』の専門家跡見学園女子大学の鳫咲子教授が指摘しているように、さらに支援を必要とする可能性のある子どもが多数います。
実際、自由記述には、病気や障害、不登校、地域に支援がないことなどを理由に孤立している状況もうかがえました。経済的に困難な状況にあったとしても、情報不足や心理的負担、制度の複雑さによって支援にアクセスできない世帯は少なくないと考えています。
そうした“見えない困窮世帯”の存在を把握するには、国や自治体が継続的に課題意識を持って実態把握を進めることが重要です。特に、子どもの貧困の解消に向けては、子ども自身が何に困っているか、どのような支援を必要としているのか、丁寧にその声に耳を傾けていく必要があります。
子ども時代は、今この時しかありません。子どもたちが育ち、学ぶ時間は待ったなしで、あっという間に過ぎ去っていきます。子どもたちが今を安心して暮らし、健やかに成長する権利を保障するために国や自治体には子どもの声を聞きながら迅速な対応を求めたいと思います」
夏休みが終わるまで、食事の支援を待つことはできない。給食のない一日一日にも、子どもの成長は続いている。
支援を申請した家庭だけでなく、声を上げられない家庭を学校、福祉、医療、地域の窓口がどう見つけ、負担の少ない形で支援につなげるのか。給食が止まる長期休暇は、子どもの食を家庭だけの責任に委ねてきた制度の空白を、改めて浮かび上がらせている。
取材・文/集英社オンライン編集部













