給食無償化だけでは「給食のない時間」を支えられない

調査では、学校給食費の抜本的な負担軽減、いわゆる「給食無償化」を肯定的に受け止める回答が半数を超えた。一方、約3分の1は、無償化に伴って給食の量や質が低下することへの懸念を示した。

学校給食費の保護者負担が軽減・解消されれば、子育て世帯の負担は軽くなる。しかし、給食が提供されるのは、基本的には学校のある日の昼食に限られる。夏休みなどの長期休暇、高校生、不登校などで学校に通っていない子どもの食事、家庭での朝食や夕食は、無償化だけでは支えきれない。

給食無償化を実効性のある支援にするために必要な制度について、担当者はこう答えた。

「今回の調査では、給食費の負担軽減を肯定的に受け止める世帯が半数を超えた一方、約3分の1の世帯が制度の実施に伴って給食の量や質の低下を懸念しています。小学生以外への拡大を求める声もあります。

そこで、給食への支援は『家計負担の軽減』と『子どもの食の保障』の両面で意義が大きい取り組みと認識しています。そのため、質・量を低下させることなく十分な財源を確保し、給食費の無償化の対象を拡大していくことも重要だと考えています」

子どもの食卓格差を埋める給食の重要性(写真/PhotoAC)
子どもの食卓格差を埋める給食の重要性(写真/PhotoAC)

給食費の無償化は、学校のある日に給食を利用できる子どもへの支援としては大きな意味を持つ。一方で、高校生や不登校の子ども、長期休暇中の食事など、学校給食の枠組みだけでは届かない部分も残されるという。

「現在給食が実施・提供されていない子どもたち、たとえば高校での給食の実施や不登校の子どもへの昼食支援や、給食のない時期の食支援を求める声も数多く寄せられました。

その観点から定期的な食料品送付やフードバンク、長期休暇中の昼食費補助や食料配布などを公的な取り組みとして強化していくことや、高校生世代や学校に通っていない子どもへの給食提供や昼食費の補助など、多面的で重層的な取り組みが必要であると考えます。

そうした支援を行なう際は、子どもの居住地にかかわらず等しく支援やサービスを利用できるよう、地域差が生じない取り組みを国が推進することも重要だと考えます」

給食費の無償化に加え、長期休暇中の昼食費補助、食料配布、定期的な食品の送付、高校生や不登校の子どもへの昼食支援などを組み合わせる必要があるという。

自治体によって支援内容や利用条件に差が生じれば、同じように困窮していても、住む地域によって受けられる支援が変わってしまう。国が財源と制度の基本的な枠組みを示し、地域にかかわらず食事を保障する体制を整えられるかが問われている。