「それはあなたが監督になった時に」
そもそも、最近は聖人君子や良い人というイメージのついた森保監督だが、職務中に熱くなることはよくあった。
東京五輪でメダルを獲得できずに終わった後のエピソードは有名だ。
2021年11月、カタールW杯のアジア最終予選で日本代表が苦戦を強いられていた時期に配信されたSportivaの記事でフリーライターの浅田真樹が以下のように回想している。
森保監督について言うと、オリンピックが終わったあとのメディア対応で、ある記者さんが『もうちょっとメンバーを代えたほうがよかったんじゃないのか』という質問をしたら、『それはあなたが監督になった時にやってください』と言っていた。そう言われちゃうと身もふたもない
※日本代表、ベトナム戦&オマーン戦の結果と内容次第で森保監督の去就が決まる可能性(2021年11月10日配信)
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jfootball/2021/11/10/post_167/?page=4
なお、ここで言及されているのは、2021年の東京五輪が終わったタイミングで、あのときの代表チームを長く取材してきた通信社の記者からの質問への答えだったという。ちなみに、筆者も別の機会で、ほぼ同様に「ミムラさんが監督をやったときに……」と返されたことがある。
ただ、当時と、カタールW杯後の4年間では、決定的な違いがあった。筆者が把握している範囲では、東京五輪当時、森保監督の応答について「さすがにあの回答は良くない」といさめたり、たしなめるような記者が少なくとも2人はいた。そして、そうした記者はカタールW杯のときにもまだ現場にいた。
しかし、様々な事情から、今大会に彼らはいなかった。カタールW杯後の4年間の多くの試合で、彼らが現場に来ることはなくなっていた。
もちろん、森保監督と信頼関係で結ばれ、指揮官を陰で支える記者はいた。ただ、指揮官が代表で実績を積み重ねていくなかで、耳の痛い指摘をしづらい構造には拍車がかかった。
外部の視点から森保監督に、ときに厳しい助言ができる存在がほとんどいなくなってしまったのは、森保監督にとって不運だった。













