「ライブ一人はいいけどフェスは…」と陰口

2年前、ある投稿がSNSで大きな反響を呼んだ。

〈後ろを歩いてる知らんカップルに
フェスに一人で来てるw ライブ一人はいいけどフェスはw
ってボソボソ言われてますが私は元気です〉

投稿したのは、へちまへちさん。当時、愛知県名古屋市で開催された野外音楽フェスに一人で参加し、会場へ向かっていたところ、後ろを歩く男女の会話が聞こえてきたという。

投稿には、

〈一人で行動できない人なんですよ。気にしないで〉
〈熱量があれば、むしろ一人のほうが楽しみやすい〉
〈好きな音楽を聴きに行くのに人数は関係ない〉

など、へちまへちさんを励ます声が相次いだ。

ただし、SNSには「フェスに行きたいけれど一人は不安」「ぼっち参戦する勇気がない」といった書き込みも少なくない。ライブハウスでの公演には一人で行けても、広い会場を長時間歩き回るフェスとなると、心理的なハードルを感じる人もいるようだ。

へちまへちさんは、年に1~2回ほどフェスに足を運び、これまでの参加回数は約10回。複数人で参加した経験もあるが、一人ならではの利点をこう語る。

「グループで行動すると、自分の観たいアーティストを観られなかったり、休みたいときに休めなかったりします。その点、一人なら好きなアーティストを好きなタイミングで観に行けますし、疲れたら途中で抜けても問題ありません。

友人の誘いを断ってまで、あえて一人で行くわけではありませんが、一人参加にはそれなりのメリットがあると思っています」

フェスに向かう人々(写真/へちまへちさん提供)
フェスに向かう人々(写真/へちまへちさん提供)
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朝から深夜まで続くこともある夏フェスでは、体力の配分が重要になる。食事を取る、日陰で休む、混雑するステージを避けるといった判断も、一人なら自分の体調だけを基準に決められる。

とりわけ山間部で開催されるフジロックは、複数のステージが広い会場内に点在する。観たい出演者が重なれば、同行者同士で希望が分かれることもある。最初から別行動を前提にする参加者も珍しくない。