「死ぬまで努力し続ける」マイケル・ジャクソンが貫いた信念
幼い頃からエンターテイナーを目指したマイケル・ジャクソンは、練習を繰り返し、努力を重ねることで、自分の才能をできる限り鍛えて生きていた。
表現者として決して妥協を許さない姿勢は、レコードやテレビ番組だけでなく、ライヴ・パフォーマンスやミュージック・ビデオにも貫かれた。
例えば1983年、モータウンの25周年イベントで『ビリー・ジーン』を歌いながら披露したムーンウォーク。これは現在公開中の映画『Michael/マイケル』でも、ハイライトの一つとして再現されている。
また、今では当たり前になった、スーパーボウルのハーフタイム・ショーでのポップスターやロックバンドによるミニコンサートは、1993年のマイケルの伝説的なパフォーマンスから恒例化している。
没後17年。亡くなった後も、多くのファンを魅了するマイケル・ジャクソン。彼は常に自分自身の経験を踏まえながら、人種の平等や差別の撤廃を、作品を通じて訴え続けた。
スーパースターとなったがゆえに、メディアによる過熱した報道や憶測報道などに傷つけられることも多かった。
それでも自分が生きていることの意味について、30歳の時に出した自伝『ムーンウォーク』のなかで率直にこう語っている。
人間は真実と接していたいと望んでいます。また、その真実を他の人に伝えたいとも思っています。たとえ絶望であっても、喜びであっても、自分が感じたり経験したことを生かすことが、その人生に意味をもたらし、他の人々に役立つことにもなるでしょう。これこそは芸術の姿です。こうした啓蒙の瞬間のためにこそ、僕は生き続けているんです。
完璧主義者であることを自認していたマイケルは、「死ぬまで努力し続けるのです」と宣言していた。そして音楽とエンターテインメントに生命を捧げて、2009年6月25日に50年の生涯を終えたのだ。
僕にとって一番大切なのは、人々を幸せにさせたり、いろいろな問題や悩みから解放してあげたり、彼らの道を照らす手助けをしたりすることです。彼らに「すばらしかった、また来たいな。楽しかったよ」と言われながら、ショーの会場を後にして欲しいのです。僕にとっては、それがパフォーマンスです。
人間には、音楽やダンスから生まれる喜びが必要で、それを果たすのは自分の大切な役割であると信じていたマイケルが残した歌や映像は、発達したテクノロジーのおかげで死後も生前と変わることなく、これからも永遠の作品として輝いていくに違いない。
最後はマイケルからのエールで締めくくりたい。
もし、あなたが世界をもっと素晴らしいものにしたいと考えているのだとしたら、まず、自分を見て、自分から変えていくべきなのです。鏡の中の自分から始めるのです。あなた自身から始めるのです。
文/佐藤輝、佐藤剛 編集/TAP the POP
参考・引用文献
『ムーンウォーク マイケル・ジャクソン自伝』新装版(田中康夫訳/河出書房新社)













