こども家庭庁の役割とは?

過去最少を10年連続で更新した子どもの出生数だが、その原因を「こども家庭庁」だけの責任とみなすことはできない。出生数は、その年の政策だけで決まるものではない。若年人口の減少、非正規雇用や低賃金、住宅費や教育費の重さ、長時間労働、家事・育児負担の偏り、結婚や出産を選びにくい社会環境など、長年積み重なった要因が影響している。

さらに、こども家庭庁が発足したのは2023年であり、政策の効果が出生数に表れるまでには時間がかかる。

一方で、批判が的外れだとも言い切れない。こども家庭庁の予算は拡大しており、国民が「そのお金で何が変わったのか」と問うのは当然だ。児童手当の拡充や保育士の処遇改善、育児休業支援などは重要だが、それが若い世代の安心感につながっているか、必要な人に届いているか、効果を検証する仕組みが十分かは厳しく見なければならない。看板政策を並べるだけでは、社会の不信は消えない。

実際、SNS上では今回の出生数減少の発表に対してさまざまな批判の声が上がっている。

「こども家庭庁って7.3兆円もかけてるのに過去最低の出生率だし、もう無駄じゃないかなぁ…」
「日本人の出生数を5年後までに80万人。のように具体的な数値を決めて、責任の所在も明確にする必要がある」
「出生数、過去最少。70万人台。一方で、こども家庭庁の予算は4.7兆円 → 7.3兆円へ。増えているのは予算。減っているのは子ども。これ、どういうこと?」

こうした批判の声が上がるいっぽうで、元こども政策担当相の三原じゅん子参院議員は4月27日の参議院予算委員会で、SNSなどで上がっている「こども家庭庁解体論」への反論として、こう主張している。

「こども大綱の制定や加速化プランを含むこども未来戦略の策定、子ども・子育て支援法の改正、こども性暴力防止法の制定、保育士の人材確保や、虐待を受けた子どもへの対応強化などを内容とする児童福祉法の改正など、一つ一つ確実に一定の成果を上げてきたと思います」

参院予算委の集中審議で質問する自民党の三原じゅん子氏 (写真/共同通信社)
参院予算委の集中審議で質問する自民党の三原じゅん子氏 (写真/共同通信社)
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必要なのは、少子化対策を「子どもを産ませる政策」として語るのではなく、「産みたい人、育てたい人が希望をあきらめなくてよい社会をつくる政策」として再設計することだ。