「麻生派色が強すぎる」党内から漏れる警戒感

とはいえ、“外された”総裁候補もいる。

「林芳正総務相です。林氏は昨年の総裁選にも出馬した。今も、総理を目指すことを念頭に、『地方を回れる役職』ということで、総務相についています。

総裁選のライバルとなりえるため、発起人から外されたと言われています。麻生氏は、林氏の後ろ盾とされる古賀誠元幹事長とは距離があるとされ、麻生人事という見方もできます」(自民党関係者)

“麻生色”の強さは、JiBの実務面からも見て取れるという。

「JiBの実務面を取り仕切るのは、3人。木原稔官房長官、高市総理の松下政経塾時代の先輩で最側近といわれる山田宏参院議員、麻生側近の井上貴博総理補佐官です。山田氏も井上氏も、麻生派所属です」(JiB関係者)

山田宏参院議員(写真/本人SNSより)
山田宏参院議員(写真/本人SNSより)

事実上の派閥を立ち上げた武田良太元総務相が発起人となっていないのも、“麻生人事”だからという側面もあると指摘されている。

麻生氏と武田氏は、地元・福岡で熾烈な主導権争いを繰り広げてきた経緯がある。

「麻生政権時代に“麻生おろし”を仕掛けて以来、因縁関係にあるとされる石破茂前総理や、総裁選で麻生氏と行動をともにしなかった岸田文雄元総理も、発起人となっていない。

“政府与党と一体となる体制”を目指すなら、有力議員をすべて巻き込み、高市総理をよりオール自民党で支えるような枠組みにしたほうがよかったのではないか。麻生派の派閥色が強すぎる懸念があります」(別の自民中堅議員)

4月に行なわれた「第93回自由民主党大会」の様子(写真/高市早苗氏SNSより)
4月に行なわれた「第93回自由民主党大会」の様子(写真/高市早苗氏SNSより)
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JiBは、5月21日に、ジョージ・エドワード・グラス駐日アメリカ合衆国大使を招き、「トランプ大統領・高市首相による日米黄金時代のビジョン」というタイトルで講演会を開催するという。

党内政局においては、まさに“高市一色”の自民党だが、ここにきて懸念されている点もある。

「週刊文春が報じた誹謗中傷動画問題が国会で問題になっているが、官邸は十分に対応できていない面があります。

本来は、官房副長官らが当局情報などを集めて危機管理対応にあたるべきですが、そういった“汚れ役”ができる人がいない。衆院選であれだけ大勝したため、高市総理に対して、厳しいことも含めて、直言できる人が足りなすぎます」(官邸関係者)

目論見通り、高市総理はJiBを起点として、来年の総裁選で「無投票再選」を果たせるのか。それには、党内政局のみならず、安定感のある国会対応も不可欠だろう。

取材・文/河野嘉誠 集英社オンライン編集部ニュース班