次世代の投資術

これまで投資といえば、「プロの勘」と「人間の経験値」が頼りでした。ところが今、テクノロジーの進化によって、投資の現場は静かに、しかし着実に大きく塗り替わりつつあります。

AIを活用した投資術とは、単なる自動売買ツールや分析ソフトにとどまりません。私たち人間の頭脳と、AIの圧倒的な計算力・情報処理能力を掛け合わせることで、これまでにないスピードと精度で資産を「守り育てる」ことが可能になります。

では、今注目すべき次世代のAI投資術にはどんな形があるのでしょうか?

(1)AI×パーソナライズ資産運用

これまでは、多くの人が同じ商品や同じポートフォリオを選びがちでした。

しかし、AIが個々の資産状況・ライフプラン・価値観・目標金額まで分析し、「あなた専属のAIファイナンシャルプランナー」として最適解を提示してくれます。これにより、自分だけの投資戦略を持つことが当たり前になる時代が到来すると考えられます。

(2)AIによるモニタリングと売買シグナル

AIは24時間365日、休むことなく膨大な市場データを監視し続けます。為替の急変動、国際情勢のニュース、企業決算の速報など、人間が見逃してしまうような小さな兆しも、即座に拾い上げ、最適な売買のタイミングを教えてくれます。

情報の速さと正確さで、人間の感覚だけでは到底かなわない一歩先の判断が可能になります。

(3)AIを使った「ナラティブ投資」

近年、注目されているのが数値だけでなく物語(ナラティブ)を読む投資です。OpenAI のChatGPTの株価が押し上げられた背景には、「技術革新で世界を変える」という人々の物語への期待がありました。

AIはSNSやニュース記事、経営者の発言などの言語データを分析し、市場にどんな物語が流れ、人々がどんな夢を見ているのかを解析します。

これにより、「次に注目されるテーマ」や「空気感」を数値化し、先読みできるのです。

(4)AIと直感のハイブリッド運用

「AIにすべて任せる」安易な考えではなく、「AIと人間が役割を分担する」運用スタイルが定着してくると思います。

AIは膨大なデータの計算や確率分析が得意ですが、人間には「ひらめき」や「現場感覚」があります。相場に予想外の出来事が起きたとき、AIのシナリオに対して人間の直感で軌道修正する……この両輪で回すハイブリッド運用が、リスクを抑えつつ機会を最大化する次世代の形になるはずです。

(5)AIによる投資行動最適化

投資で失敗する理由の多くは、知識不足ではなく、感情の暴走です。

AIが投資家の取引履歴や発言をモニターし、「今のあなたは焦りすぎていないか?」「感情的な損切りをしようとしていないか?」を診断してくれます。

必要に応じて冷静になる時間を提案し、アラートを出してくれるのです。人間の弱点をAIがカバーし、最適な投資行動を支えてくれます。

AIを駆使して、人間の弱点をカバー(写真/shutterstock)
AIを駆使して、人間の弱点をカバー(写真/shutterstock)
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