「依存症全般に言えますが、『やめなさい』と言ってもあまり効果はありません」
もちろん、「推し活」など、夢中になっていることに多少のお金を遣うこと自体は珍しくないし、それによって生活に張り合いが出るという人も少なくないだろう。しかし、一日中シールのことが頭から離れず、日常生活や子どもの世話、家族との時間、家計にまで影響が及び始めた場合、その状態をどう捉えるべきなのか。どの時点でシール集めは「依存」と判断されるのだろうか?
「ゆうメンタルクリニック」総院長で精神科医のゆうきゆう氏に話を聞いた。
「依存症とは、端的に言いますと何かを反復的に繰り返してしまい、それによって社会生活に困難が生じている状態です。
今回のシール集めで言いますと、シールを何度も集めてしまうことで、まず反復的な行動になっています。さらにそれで、たとえば、
・シールのことに夢中で他のことが手につかない(家族との会話や仕事や勉強など)
・お金をかけすぎてしまって生活が厳しくなる
などがあれば、『依存症』と表現して良いかと思います。逆に言えば、余暇もお金も有りあまったお金持ちがシールをいくら買っても、それで『困らない』なら、依存症ではない、ということになります」
では、家族としてどのように対応することが望ましいのだろうか。
「依存症全般に言えますが、『やめなさい』と言ってもあまり効果はありません。反発するだけです。また『シールなんて意味がない!』など否定的になるのも良くないです。『分かってくれない』と心を閉ざし、結果的にシールしか逃げ場がなくなります」
このように説明したうえで、適切な対応方法についてゆうき氏は次のようにアドバイスした。
「よく『アディクション(依存)にはコネクション(つながり)』で対応せよ、と言われます。すなわちとにかく話を聞き、一緒の時間を過ごすことです。シールについては、否定をせず、興味がある、くらいの雰囲気で会話をしてみましょう。
その上で『買いすぎていることが心配なんだ』などソフトに心配を伝えることです。家族ができることはそれくらいまでで、あまり抱え込みすぎない方がいいでしょう。それでもダメならメンタルクリニックなど精神科の受診も有効かと思います」
依存症の代表的なものには「アルコール」「薬物」「ギャンブル」があり、近年ではWHOが「ゲーム障害」を正式に国際疾病分類において依存症の一種として認定したが、依存症の種類はさまざまだ。
過熱するシールブームだが、依存症にならないように注意したい。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













