聖光学院のマイナス材料

聖光学院にしても、惜しくもセンバツ出場を逃したが、これまでの戦いは賞賛に値する。昨年のベスト8をはじめ、出場した5大会では全て初戦突破を安定した力を示していた。

惜しくもセンバツに届かなかった聖光学院の選手たち
惜しくもセンバツに届かなかった聖光学院の選手たち
すべての画像を見る

チームを率いる斎藤が東北地区の監督で最多となる甲子園通算31勝と経験豊富であることも、重要な評価対象となったはずだ。

その強さは、昨秋の大会でも衆目を集めた。

福島大会を優勝して臨んだ東北大会では、初戦で盛岡中央相手に先取点を奪われながらも逆転し、9-1の7回コールドで圧倒した。ハイライトは準々決勝戦の仙台育英戦だ。ベスト16だった昨夏の甲子園メンバーが多く残り、優勝候補の筆頭と目された相手に対し4-1と快勝。相手の監督である須江航をこのように悔しがらせた。

「相手の力が上だったということです。夢のまた、夢のまた……を4、5回掛けるくらいの気持ちで甲子園に向かっていかないとダメなんだと、思い知らされた試合でした。もう、言葉にしがたいくらい悔しいですね」

悔恨は監督だけでなく選手にも植え付けた。

最も印象深かったのが、この試合で4人のピッチャーをリードした1年生キャッチャー、倉方湊都の敗戦の弁である。

「聖光学院は細かい野球をしっかりしてきたこともあるんですけど、それ以上に痛感したのが積み重ねで。勝った瞬間に泣いていた選手がいたっていうのは、試合に出てる、出てない関係なく、人への想いが詰まっているというか、それだけの根拠を積み重ねてきたからだと思いました。自分たちとの違いはそこで、相手に甘さを教えられました」

東北大会での聖光学院のマイナス材料を挙げるならば、仙台育英を撃破し勢いに乗るかと思われた八戸学院光星との準決勝だった。

この試合、聖光学院は0-7と大差で敗れた。相手を上回る9安打を放ちながらも得点できず、持ち味とされていた守備に綻びが生じたこともスコアとなって表れてしまった。敗戦後、斎藤も結果をこう甘受していた。

「0-7……9回までやりましたけど、コールドみたいなもんですからね。『負けに不思議な負けなし』と受け止めるしかありませんよね。潔く反省することが先決。選手もこの負けを重く受け止めていると思います」

聖光学院は敗戦を胸に刻み、チームの誰もが「センバツに出るつもりで練習してきた」と、迷いなき歩みを見せた。

しかしながら、結果としてこの敗戦がセンバツ選考におけるマイナス材料となってしまった。あるいは、聖光学院に勝利した八戸学院光星が、決勝戦で花巻東に敗れたことも影響したのかもしれない。

斎藤は現実を受け入れている。

「選ばれないことも想定はしていましたし、この結果を厳粛に受け止め夏に向かって邁進していきます」

代表が決まってからもなお、おそらくは賛否が巻き起こるだろう。それは東北地区に限ったことではない。

だからこそ、センバツは面白い。

取材・文・写真/田口元義