「アプガースコア」が低くても発達には影響しない
さらに、一部で「点数が低いと受験に影響するのではないか」という噂のある「アプガースコア」については次のように話した。
「『アプガースコア低値』は、昔は『新生児仮死』と呼ばれていましたが、適切な訳語ではなかったため最近は使われる頻度が減ってきました。
胎内の赤ちゃんの状態が悪い可能性がある場合は『胎児機能不全』という病名がつきます。そして、生まれた赤ちゃんに対しては、呼吸状態や心拍数などの全身状態から『アプガースコア』と呼ばれる点数を付けます。アプガースコアは10点満点で、高い点数ほど全身状態が良いことを示しています。
このアプガースコアが低値であると、赤ちゃんの将来の発達に影響があるのかも…といった憶測については、米国産科婦人科学会が明確に否定しています。『アプガースコアは個々の児の転帰を予測するものではない』『アプガースコアが低い児のほとんどは脳性麻痺を発症しない』と記述しています。
もちろん、赤ちゃんが胎内で極端な低酸素環境にさらされているなどの場合、将来のリスクに影響がないとは言えません。でもそれは分娩経過や背景などを加味しなければ判断できませんし、ましてやアプガースコアだけで赤ちゃんの学力を測ることなど到底不可能です。アプガースコアはあくまでも『出生直後の状態記録』にすぎません。
以上のことから、出血多量であれアプガースコア低値であれ、母子手帳の記載を受験の合否判断に影響させることは非常にナンセンスですし、母子手帳は妊娠~出産時~産後の経過がある程度把握できる、医学的に重要な記録ですから、書くべきことは事実ならばしっかり記載することが大事です。仮に出血多量やアプガースコア低値と記載されていたとしても、過度に心配する必要はありません」













