ブログで激しい『BUTTER』批判
最高裁判決後もブログ「拘置所日記」は更新されている。どんな人であれ、死刑が確定するというのは重たいことだから、判決後に木嶋さんがどんな発言をするのか興味があったが、何と新潮社から刊行された柚木麻子著『BUTTER』への批判だった。
首都圏連続不審死事件をもとに描いた小説で、木嶋さんはこの本に激しい批判を投げている。ブログから引用しよう。
●5月11日「バターって何やねん?」
《柚木麻子って誰?
私も家族も弁護士も知らないユズキアサコという人が書いた本「BUTTER」。
この本の主人公は、木嶋佳苗ではありません。私は、柚木を知りませんが、柚木も私を知りません。
書籍広告に私の氏名を載せることはやめてください。迷惑だ!》
《東京拘置所を訪れ面会した事が1度でもある人ならば、木嶋佳苗と1度でも話したことのある人ならば、柚木の描写が現実と乖離していることはすぐ分かる。》
《私は4月14日に最高裁で上告が棄却され21日に判決訂正申立書を提出しました。そろそろ棄却の通知が届き、諸々の手続き後に確定者処遇となり、社会との扉が閉まります。
面会や手紙等の授受が認められる外部交通許可者は、それからの審査によって決まります。東京拘置所長殿御機嫌を損ねぬようおとなしくしていたところ、私の逆鱗に触れた!柚木》
柚木麻子さんの『BUTTER』は2024年頃から海外で高い評価を受け、翻訳本がとてもよく売れていることが報じられている。木嶋死刑囚らしき主人公と「料理」を軸にしたユニークな小説で、海外では特にフェミニズム文学として評価されているという。ただ、モデルとされた木嶋さんには嫌悪されたようだ。
「もうちょっと頑張って生きてみようと…」
判決やその報道について感想を記しているのは5月17日のブログだ。
●5月17日「判決確定その後」
《5月9日付けで最高裁判所が判決訂正申立てを棄却したことから「死刑判決確定」と報道されました。
ですが、17日現在、これまで通り未決の被告人と同じ生活をしております。手紙の発受や面会、差し入れや自弁購入も許可されています。
とはいえ、今月中には死刑確定者として処遇する旨の告知を受けることになるでしょう。
いつどのように変更されるかは、全然分かりません。東京拘置所長殿が良識ある人だと信じています。
判決報道を見ると、ユリウス・カエサルの時代から人は変わっていないのだと実感しました。
人間は自分の見たいものしか見ないものなのですね。自分の都合のいいように考えてしまう人がいかに多いことか。
「週刊新潮」手記について、たくさんのご意見を頂戴しました。ありがとうございます。もうちょっと頑張って生きてみようと考えているところです。》
この後にも『BUTTER』批判が続く。さらには5月23日のブログも同様だ。このあたりが木嶋さんならではかもしれない。でも「もうちょっと頑張って生きてみようと考えている」の記述にはホッとした。













