「オシャレに極道の巻」(ジャンプ・コミックス53巻収録)
今回は、最恐顔面の持ち主である御所河原組の組員たちを、両さんが「愛される暴力団になるためには、まずは見た目から!」とばかりに、イメージチェンジさせるお話をお届けする。
御所河原組は、御所河原金五郎之助佐ヱ門太郎(ごしょがわら・きんごろうのすけざえもんたろう)が率いる暴力団で、本作においては「御所ヶ原商事」を名乗っている。いわゆるフロント企業というやつだろう。
組長は奇妙な俳句を詠み、アニメキャラ、しかも『アルプスの少女ハイジ』の彫り物をしていて、草野球に汗を流し、食玩集めに夢中……という、かなり奇天烈なキャラだ。人相もかなり恐ろしいのだが、登場するごとに両さんとは腐れ縁的な間柄になっていった。
本作が描かれたのは1987年。暴対法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)施行の4年ほど前の作品となる。だが当時、暴力団による市民への脅威の高まり、暴力団のバブル景気時の地上げ、債権取り立てなどにおける暗躍などから、暴力団への反感が高まりつつあったのは確かだ。
そこで強面に物を言わせるやり口を変え、市民に愛嬌をふりまきはじめるのだが……。
言うまでもないが、暴力団の笑顔は、あくまで相手を欺き取り込むための手法にすぎない。つまりは恐い顔以上に「恐い」もので、警戒する必要があるのだ。
本作で描かれている市民のように、彼らに助けを請うような真似をしたら最後、骨までしゃぶられるのがオチだ。くれぐれも真に受けることのないよう、ご注意を。
それでは次のページから、恐い存在から親しみやすい存在へとイメチェンを計る御所河原組の面々が繰り広げる騒動をお楽しみください!!



















