市長を辞めたくなる? 「まったくないと言えば嘘になりますが…」
――市長になられて4か月、生活や状況で変わったことはありますか?
町を歩いていたり、ご飯を食べていたりすると声をかけてくれる方が本当に多くて。「頑張って」と言ってくれる人たちは確実に増えているんです。
――逆に「市長を辞めてほしい」と面と向かって言ってくる人もいたりするのですか?
それこそ今日ありましたね。今日は街宣しているときでしたが「早く辞めろ」と言われました。普段も、「早くやめろ」伊東市の評判を落としてる。どう責任とるんだ」とかそういうご意見はありますね。
私はできるだけお話ができるようでしたらしたいなとは思うんですけどね。もちろん全員お話ができる方というわけではありませんが、できる方なら私はお話をしたいですね。
――言いに来られる方は学歴詐称をしたから辞めてくれということを言うのでしょうか?
どういう形でおっしゃられているのかはその方々のそれぞれの考え方があると思います。個人的な人格否定や政局的なことで言ってらっしゃるんじゃなくて、町を良くしていくためにそう言ってらっしゃるのであれば、私はお話をしたいなって思うんです。
――直接辞めろと言われるのはメンタル的には平気なのでしょうか?
営業職をずっとしていたこともあるのですが、クレームを言われるときは、クレームの中に意外と逆転のヒントがあったり、チャンスだったりするときもあるので。
話す余地のない、例えば本当に「嫌い」とかそういうことであればそこは深堀りするべきはないというか。逆にお話をしようとすれば不快感を与えてしまうことになるので、スッと引くべきだと思うんですけど。ちゃんと話ができるのであれば話すと得るものがあります。
――ネットの誹謗中傷と直接言われるのはどちらがきついと思われますか?
ネットの場合は対面じゃないですからね。ネットで議論をできるのであればやろうと思いますが、ネットで議論を繰り広げるというのはないですかね。
――では伊東市内を歩いているときに辞めろと言われたら話し合うということですか?
「どうしてそう思うのですか?」ということはお聞きするし、情報が間違っているなら「いいえ、違います。それはないです」とお伝えします。そこはなかなか折り合いがつかないところではありますけど、「私はそういう風には考えてないです」としっかりお伝えしています。
――市長を辞めたいと思うことはないのでしょうか?
まったくないと言えば嘘になりますが、やるべきことがあるので。周りの方が期待して選んでいただいた結果としてここにいるわけですから、いる以上はやっぱり精一杯責務を果たすために努力したい。それは自分にとっての命題だと思っています。
――市長の言う改革は、具体的には何をされることなのでしょうか?
もっと意見を言いやすい空気感を作るというのが一番大事かもしれませんね。政治って、一部の偉い人たちが密室で会食をしながら決めてしまうんだっていう、なんかそんな風なあきらめがあると思うんです。でもそうではなくて、自分たちが市政にコミットして動かしていくことができるんだっていうような、そういう空気感ができると良いです。
解決しなきゃいけない課題の順番というのは、純粋に町が良くなっていくためや、市民サービスが向上するためという目線で決められなければいけないわけです。そうではない優先順位で何か建物が建ったり、何かが進んでいく、お金が使われていくという仕組みは変えていかなきゃいけないと思います。
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「田久保市政の継続」が争点となっている伊東市議選。市民はどのような審判を下すのか。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班