「ハイパー運動会!の巻」(ジャンプ・コミックス第136巻収録)
今回は、大原部長の孫・大介の運動会に出場することになった両さんが、二日酔いの最低なコンディションのなかで大奮闘を繰り広げるお話をお届けする。
本作では、いまどきの運動会では、ひょっとしたら本当にこんなことが起きているのでは? と感じさせる、かなり世知辛い描写がある。
まずは、部長が両さんに金を渡し、大介の紅組を勝たせようとする。いくらかわいい孫のためとはいえ、この所業はいかがなものだろうか……。
また、大介が通う学校には「上級国民」を親に持つ児童が多いため、父兄参加の競技にはトップアスリートが続々と出場するのだ。
いずれも、子どもたちの頑張りと成長を披露する場である運動会にふさわしいのかどうか、いささか疑問を抱かざるを得ない。
本作は、そんななかでパワーを炸裂させて活躍する両さんを、思わず応援したくなる一作だ。
なお両さんは、本作以外でも小学校の運動会に助っ人として駆り出されたことがある。
本作とほとんど同タイトルの「ハイパー運動会!!の巻」(ジャンプ・コミックス第113巻収録)では、ハイパー電子社長の長男、プラスが通う小学校の運動会に。父兄としてロボットを相方に二人三脚に臨むが、ロボが故障してしまい……。
「今どき運動会事情の巻」(ジャンプ・コミックス第194巻収録)では、本作と同様、部長の孫・大介の運動会に駆り出される。父兄による撮影が禁じられていることに驚く。これには、SNSでの拡散による犯罪発生や個人情報漏洩の危険性、父兄が子どもの「映える」姿を撮ることに熱中しすぎる……等に対応しなくてはいけない現実を映しだしたかのような描写が印象的だ。
いずれにしても、子どもたちには伸び伸びと運動会の一日をすごしてほしいものだ。
それでは次のページから、小学校の運動会での両さんの活躍をお楽しみください!!