「追い詰められていたゆえにした発言だった」
校長はこの件を市教委に伝えると、市教委はAを呼び出し「指導」をした。もちろん校長もAとは別日に呼び出され、市教委から「管理監督責任」に関する指導が行なわれた。しかし、これにて一件落着とはいかなかったという。
「Aは体調不良ということで病院の診断書を取りました。そして校長に傷病休暇を求め、市教委にも『6月6日から1ヶ月の傷病休暇を取得する旨の報告』が受理されました。担任が児童に休む旨を伝えることはごく自然なことですが、6月3日、Aは次のような説明を児童らにしたのです」
「先生が来週から休むのはいじめられたことが原因。いじめた先生の話は聞かないように。この話は誰にも話さないように」
児童らは先生とのこの約束を守ったのだろう。しばらくの間、この一件はクラス内だけの秘め事とされた。しかしAの休暇中に当該クラスの児童の保護者が子どもからその話を聞き、市教委と学校に匿名で報告して、一連の事態が発覚した。担当者は続ける。
「まずAが復帰する前の7月上旬に当該クラスの保護者会を開き、職員と校長が保護者に謝罪しました。そしてAの復帰後に事実確認を行なったところ、これを認めたそうです。その際に『追い詰められていたゆえにした発言だった』ことや『不適切な発言をしたことへの自覚と申し訳なさ』については話をしていました」
Aは傷病休暇明けは通常出勤をしていたようだが、同クラスの担任からは外れているという。担当者によれば「担任は持っていませんが、他のクラスのサポートなどを行なっていてフルタイムで働いている」という。