教師の質が下がっている? 教師が目撃した“許されない言動”と採用の現実
「こんなこと言いたくないですが、教員の“質の低下”は否定できません」そう話す30代男性教員は現場の実情を明かす。
「今、小学校教員の採用試験は自治体によっては倍率1倍を切っています。つまり、誰でもなれてしまうというような状態。教育委員会も“猫の手も借りたい”という状況なので、質よりも人手を確保することが優先されてしまっているのが現実です」
採用ハードルの低下は、志や適性に欠ける人材を呼び寄せかねない。名古屋市に勤務する20代の女性教諭は、小学校教員の飲み会で目にした光景をこう語った。
「高学年の女子児童の胸の大きさについて、男性教師同士が真剣に『あの子は何カップだ』『いやもっとあるだろう』などと話し合っていて、驚きました。冗談のつもりだったのでしょうが、そんな目で子どもを見たことがあるという事実にショックを受けました」
また、別の女性教諭は、大学時代のある発言が忘れられないという。
「“小さい女の子が好きだから、小学校の教師になりたい”と同級生の男子学生が言っていたんです。あれが本気だったのか冗談だったのかはわかりませんが、教員になる動機としては恐ろしすぎます」
教員免許や採用試験では、こうした人物を見抜く方法は現状ない。どんなに制度的な網を張っても、素質や内面の動機までは見抜けないという現実がある。
現場での取り組みと、これからできること
では、現場ではどのような取り組みが行われているのだろうか。20代男性教諭は、子どもへの配慮の実例を語る。
「小学校高学年になると、思春期に入り子どもたちも心身ともに敏感になってきます。だからこそ、個別相談の対応も、女子児童には女性教員、男子児童には男性教員が行うようにしており、学年担任の構成も、男女バランスを意識して組まれています」
さらに、女性教員が常にそばにいる環境を整えることで、女子児童が安心して相談しやすい体制も整えているという。
こうした小さな取り組みが、子どもを守る第一歩になる。
一部の加害者の存在によって、すべての教員が疑われるような状況を変えるためにも、制度的な整備と、教育現場の透明性確保が急務だ。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班