子どもの足音を聞いたあと、高熱で死にかける
――まったく理解ができませんが、そもそもこの部屋は“本当に事故物件”だったんですか?
入居したとき、不動産屋さんからは何も説明されませんでした。でも、家賃が4万5000円と都内では激安で、しかも定期借家で「半年間限定」という条件だったんです。
住み始めて半年後、管理会社から突然電話がかかってきて、開口一番「住んでいて、何か変わったことありませんか?」って。
何も前置きがなくてびっくりしましたけど、私は引っ越したくなかったので「何もありません」と嘘をついたんです。そしたら「本当にないですか?」って、もう一回聞かれて、「はい」って答えたら、「じゃあ、そのまま住んでいて大丈夫です」って。そこから普通の2年契約になりました(笑)。
でも、家賃はそのタイミングで6万円に上がっちゃったんですよね。それでも、このアパートの中ではこの部屋だけが一番安いままなんです。
――では、これまでこの部屋で起きた心霊現象ベスト3を教えてください。
3位は、寝ている間にスマホで勝手に写真が撮られていたことです。
私、寝るときスマホを自分の横に置いているんですけど、朝起きたら知らない写真が1枚だけ保存されていて。しかも、どう考えても膝立ちしないと撮れない角度なんですよ。だから「これ、かずさんが2ショット撮ろうとして間違えて外カメにしちゃったのでは……?」って(笑)。
2位は、動画を撮っただけのはずなのに、スマホに216枚のスクリーンショットが勝手に保存されていたことです。
YouTube用に今の部屋で心霊ドラマを撮ったことがあったのですが、そのときの撮影は動画だけだったんです。でも翌朝スマホ見たら、なぜか同じシーンばかり216枚も静止画が保存されていて。寝ぼけて触ったにしては多すぎるし、角度もバラバラ。
これ、おそらく“赤いトレンチコートを着たベリーショートの中年女性の霊”の仕業なんじゃないかと。彼女は当時ずっと部屋にいて、いつも怒っている感じだったから、「アンタの演技気に入らない」って抗議だったのかもしれません(笑)。
――これが勝手に保存されていたらゾッとしますね……。では、第1位は?
1位は、心霊現象がきっかけで死にかけて1週間入院したことです。
ある夜、3時ごろに寝ようと横になった瞬間、布団のまわりを子どもくらいの小さな足が裸足でペタペタと走り回る音が聞こえてきたんです。それで起き上がろうとしたけど、体が動かなくて目も開かない。足音だけがずっと聞こえていて、そのまま眠ってしまいました。
翌朝、「なんか首がめっちゃ痛い」と思って鏡を見たら、首の左側に三角形のアザができていて、そこから高熱が出て、息ができなくなってしまったんです。
病院に行ったら「君、これ死ぬからすぐ入院して」と医者に言われました。そこから1週間入院しましたけど、検査しても原因不明で。コロナでもありませんでした。
――そんな命に関わるようなことも起こっているのに、引っ越したいとは思わないんですか?
今のところ引っ越しを考えたことはないですし、これからも幽霊たちと仲良く暮らしていきたいです。発信を続けて、人間にとって幽霊は必ずしも悪い存在ではないではない、ということを伝えていきたいです。
「生きている人間のほうがよっぽど怖いですよ」–––そう語るりゅうあさんの驚きの暮らしは、異界と地続きの“日常”だった……。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班