TOHOシネマズ上野で導入されたセルフオーダー
そこで編集部では、TOHOシネマズ株式会社に質問を行なった。まず、多くの声が上がっていた「ポップコーンの袋詰め販売をしない理由」について尋ねたところ、以下の回答があった。
「当社劇場では、お客様にできる限り美味しい状態でポップコーンをお楽しみいただくことを大切に考えております。そのうえで、一部劇場においては、あらかじめカップに入れた状態での提供方法も試験的に導入しております」
また、混雑状況の認識と改善方針についてはこう答えている。
「当社では“映画館ならではの食体験”や“お買い物の楽しさ”を大切にしながら、お客様のニーズに応じて柔軟に対応しております。多くのご意見を頂戴したことで、混雑時の利便性向上が重要な課題であると改めて認識しております」
実際すでに、売り場の混雑を解消している映画館もある。それは、TOHOシネマズ上野や立川立飛など。これらの一部劇場では、モバイルオーダーやセルフオーダー方式を試験的に導入。混雑の緩和に一定の効果が出ているという。
TOHOシネマズ上野を覗いてみると、確かに売り場が見事にスマート化されていた。来館客はタッチパネル式のセルフ端末か、スマホのモバイルオーダーで注文。番号が発券され、商品が用意されるとフードカウンターに呼び出し番号が表示されるので、ピックアップに向かう。
ポップコーンの“仕上げのひと手間”だったバターフレーバーオイルもセルフ化されており、ドリンクはドリンクバー方式。ドリンクを注文するとカップだけ受け取り、自分で注ぐスタイルで、なんとおかわりも可能だった。
こうしたシステムはSNSでも好評で、「ほかの劇場でも導入してほしい」との声が多数寄せられている。
今後の導入予定について、TOHOシネマズは次のようにコメントした。
「日比谷、新宿、池袋をはじめとする混雑が発生しやすい劇場への導入を進めてまいります。ただし、施設の構造や動線、設備面での制約もあるため、全劇場一斉導入は難しい状況です。お客様の利便性向上を最優先に考え、導入に向けて積極的に取り組んでまいります」