カラオケで「脳梗塞」!?

歌うことは、心肺機能を向上させたり、精神的な解放感をもたらしたりします。カラオケ好きな人が多いのも納得です。

ただ、高齢者の場合、いくつかの注意点があります。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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一つは、「心房細動」を背景とした「脳梗塞」を起こす可能性があることです。

「心房細動」とは、高齢者に多い心臓疾患の一つで、心臓の上部にある「心房」が規則正しく収縮・拡張せず、震えるように動いている状態のことです。

全身に血液を送りこむのは心臓の下部にある「心室」なので、心房が震えていても日常生活に大きな支障はありませんが、心房の中で血液が停滞して「血栓」ができやすくなります。

そして、カラオケで歌っている最中は、大きな声を出したり、力んだりすることで血圧が上昇します。すると、心房内で作られた血栓が遊離して、脳に向かう血管に詰まることがあるのです。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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声が出しにくくなる、意識が一瞬飛ぶなどの軽い症状であれば、血栓が融解して脳への血流が復活すると元に戻ります。

しかし、だからといって、無理してカラオケで歌い続け、症状が繰り返されると、そのうち脳の血流が完全に止まり「脳梗塞」に至ってしまう可能性もあります。