相次ぐ転売ヤーの無在庫出品の対策は...?

とはいえ、出品方法に制限をかけることでフリマアプリとしての売上も下がる可能性がある。

あるメルカリの関係者はこう内情を明かす。

「コロナ禍ではマスクや消毒液などの出品が相次ぎ、高額で売りに出されることが問題視されました。自宅での滞在時間も増え、スイッチなどのゲーム機も同様でした。そこでメルカリでは企業倫理、経済学などの識者を入れ、半年以上かけて議論が行われたんです。

需要供給の市場原理に重点を置いてはいるものの、一時的な価格の急騰など、顧客を混乱状態にしたくない側面もありました。結果、21年の7月に『マーケットプレイスの基本原則』を公表し、メルカリの基本原則が生み出され、そこから今回のアラート機能のような仕様を採り入れ始めたんです」

多くの転売ヤーがマクドナルドのハッピーセットのおまけをフリマサイトに出品した(撮影/集英社オンライン)
多くの転売ヤーがマクドナルドのハッピーセットのおまけをフリマサイトに出品した(撮影/集英社オンライン)

とはいえ、各フリマサービスを悩ませているのが無在庫出品だ。

現在、発売前にもかかわらず、スイッチ2は定価(49,980円/税込)を大きく上回る10万円前後での出品が相次いでいる。手元に品物がない状態からの出品をする行為は、「無在庫出品」と呼ばれ、任天堂と協力を表明した3社いずれも禁止している。

前出のメルカリの広報担当者は無在庫出品の対応について、AIやビッグデータをもとに戦っているという。

「365日24時間体制で、当社の利用規約に違反する商品の自動検知システムおよびカスタマーサービスの目視により、出品や取引を常時監視し、出品禁止物の排除に努めております。

上記システムでは、商品情報や取引にかかわる豊富なデータとAIを元に、禁止出品物と思われる商品や、十分な情報のない商品等については商品の削除やお客さまへの警告を行っています」(前出担当者)

今度こそ転売ヤー“撲滅”なるか――。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班