メイクまでも「再び偉大」に? ポイントは「80年代」「強い印象」
YouTubeチャンネル「ALISAのメイク講座」を運営するALISAさんは、さまざまなメイク講師の資格を保有するほか、ロサンゼルスにメイク留学をした経歴の持ち主だ。日本のみならず、アメリカ国内のメイク事情にも詳しいその立場から、MAGAメイクについて「簡単に言うと『80年代風のレトロなメイク』です」と解説する。
「『Make America Great Again』と言うだけあって、トランプ氏はアメリカが元気だった80年代を懐古していて、支持者の間にも『この時代のメイクをして、共和党やトランプ氏の集会に行こう!』というムーブメントがあるんです。
伝統的な女性らしさや意志のはっきりとした女性像として、保守的な美意識を表現し『正統なメイクは誇らしくて美しい』と主張したいのだと思います」(ALISAさん、以下同)
ただ、TikTokのMAGAメイク動画には、“反トランプ派”による投稿も多いそうだ。
「動画を見ると、反対派が『共和党員やトランプ支持者って、こうやって無理して時代に合わないメイクをしてるよね』と、揶揄する目的でアップしているものも多いんです。
アメリカも最近は、馴染みのいいカラーメイクや素肌感を残したナチュラルメイクが主流なので、MAGAメイクが『流行に逆らった時代遅れのメイク』だと強調すべく、80年代に流行ったマット質感のベースメイクや赤リップを、あえてオーバーに施したりしています。
実際、最初から下地の量が多かったり、黄色味がかったファンデーションで厚塗りを表現したり、わざと雑にメイクしている投稿者も多いですね」
続いて、MAGAメイクのポイントを解説してもらった。ALISAさんによると、“意志の強さ”を印象づける、濃いアイメイクと鮮やかなリップが重要になるそうだ。
「アイシャドウやリップ、全体的に濃いカラーを使っているのが特徴ですね。女性は意志の強さを印象づけたいとき、眉やリップラインを濃く描くのですが、MAGAメイクも赤いリップで唇の輪郭を縁取り、しっかりと仕上げている人が多いんですよ。
これは80年代の流行であると同時に、共和党のテーマカラーともマッチしているので、“クラシックで強い女性”“昔の伝統を重んじる姿勢”が表現されています。
コントゥア(輪郭)やチークも、しっかりと入れることで濃く仕上げ、『誰にも負けない強い女性』を演出しています」