トランプ政権の支持者や要人に共通する「MAGAメイク」

トランプ氏といえば、第1次政権の大統領就任前から「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大な国に)をキャッチフレーズにしてきた。これは、各単語の頭文字をとって「MAGA」(マガ)と略され、今ではトランプ大統領支持者そのものを指す言葉としてもつかわれている。 

ここからさらに派生し、昨今、アメリカで話題になっているのが、“トランプ支持者の女性がしがちなメイク”を意味する「MAGAメイク」だ。 

おなじみのMAGAキャップをかぶるトランプ大統領(写真/Shutterstockより)
おなじみのMAGAキャップをかぶるトランプ大統領(写真/Shutterstockより)
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主な特徴は、髪はブロンドのロングヘアーでセンターパート(分け)と、眉毛などがしっかり濃く描かれた派手めのメイク。同国発祥のバービー人形にたとえられることもしばしばだという。

MAGAメイクの女性として名高いのは、大統領夫人のメラニア氏や長女のイヴァンカ氏。閣僚では、トランプ氏の弾劾裁判で弁護人を務めた側近のパム・ボンディ司法長官や、ブロンドヘアーではないものの、著書で飼い犬の射殺を告白して話題を呼んだクリスティ・ノーム国土安全保障省長官らが代表的だといわれている。

左からトランプ氏の義娘・ララ氏、2番目の妻との娘・ティファニー氏、最初の妻との娘・イヴァンカ氏。いずれもバービー人形を彷彿とさせる容姿だ(写真/イヴァンカ氏Instagramより)
左からトランプ氏の義娘・ララ氏、2番目の妻との娘・ティファニー氏、最初の妻との娘・イヴァンカ氏。いずれもバービー人形を彷彿とさせる容姿だ(写真/イヴァンカ氏Instagramより)

特に、かつてのノーム氏はミディアムヘアーにナチュラルめのメイクで、どちらかといえばカジュアルな印象であった。 

かつてのクリスティ・ノーム氏(写真/米国議会図書館 立法情報提供システムより)
かつてのクリスティ・ノーム氏(写真/米国議会図書館 立法情報提供システムより)

ところが、現在はハイトーンの髪色にロングヘアーのセンターパートへと変貌し、メイクもナチュラル風からは一変。その“イメチェン”ぶりは、トランプ氏に接近するうちにMAGAメイクになったとも揶揄されるほどだ。 

現在のクリスティ・ノーム氏(写真/本人Xより)
現在のクリスティ・ノーム氏(写真/本人Xより)

こうしたMAGAメイクに対し、アメリカのSNSユーザーの間では、〈すべての保守的な女性はこのルックス〉〈MAGAガールは巨大なドレスを着て、金髪で、厚化粧で、ラインストーンをつけた女性を思い浮かべる〉〈彼女らは誰かに「このルックスを真似るべきだ」と言われるのでしょうか?それとも自然にこうなるのでしょうか?〉といった声が上がっている。

とりわけ、TikTokでは、女性ユーザーを中心に「maga makeup」「republican makeup」(共和党員のメイクアップ)というハッシュタグを付けたメイク動画が多数投稿されるなど、新たなネットミームといえるほどバズっているのだ。

日本ではあまり話題になっていないこのMAGAメイクには、いったい、どのような背景や特徴があるのだろうか。アメリカへの留学経験を持つメイクアップアーティスト・ALISAさんに解説してもらった。