「ありがとう」の言葉が奇跡を起こす
よい感情を誰かと共鳴させるもっともシンプルな方法は、みなさんよくご存じの方法です。
まず、「ありがとう」という感謝の言葉から始めてみましょう。
ありふれた言葉かもしれませんが、奥が深くとてもパワフルな言葉でもあります。
私は、これまでに「ありがとう」の言葉が奇跡を起こす事例を本当にたくさん見てきました。
恋人であっても、家族や友だちであっても、素直に「ありがとう」を伝えることは少し気恥ずかしい気持ちになるかもしれませんが、ぜひこのシンプルな言葉からあなたのよい感情を共鳴させてみてください。
「ありがとう」と言うだけでも十分にすばらしいのですが、もっと効果的で、人生が変わってしまうほどの「ありがとう」の伝え方があるので、お伝えします。
もっとも効果的な「ありがとう」を伝えるには、3つのポイントがあります。
ポイント1 具体的なエピソードについて感謝を伝える
「いつもありがとう」といった漠然とした感謝の言葉は言いやすくはありますが、具体的に「いつ」の「どんな」エピソードに対して感謝をしているのかを伝えることができるとより効果的です。
例 「この間、私がイライラしてあなたに八つ当たりしちゃった時があったよね。あの時、やさしく受け止めてくれてありがとう」
ポイント2 その時に自分が感じた感情を伝える
感謝を伝えたいエピソードに、自分がどんな気持ちを感じたのかを伝えることができると、言葉に奥行きが生まれてきます。
例 「この間、私がイライラしてあなたに八つ当たりしちゃった時があったよね。あの時、あなたがやさしく受け止めてくれたから、安心できて涙が出たよ。いつも味方でいてくれてありがとう」
ポイント3 その時に感じた相手のいいところを伝える
相手のいいところを伝えることは感謝だけではなく、相手のすばらしさを承認することでもあります。
例 「この間、私がイライラしてあなたに八つ当たりしちゃった時があったよね。あの時、あなたがやさしく受け止めてくれたから、安心できて涙が出たよ。あなたのやさしくて頼れるところ、本当にかっこいいよ。いつも味方でいてくれてありがとう」
誰かに感謝の気持ちを感じた時に、ただ「いつもありがとう」と伝えることもすばらしいですが、この3つのポイントを意識して伝えてみるだけで、「ありがとう」にたくさんの大切な思いを込めることができます。
また、3つのポイントを踏まえて伝える言葉を考えてみるだけで、自分の心の中にある感謝の気持ちをより大きく感じることができるようにもなります。
誰かに感謝の気持ちを感じる時、それは自分自身の心が感謝や喜び、安心感といったよい感情で満たされているということでもあります。
自分の心をそんなよい感情で満たした上で、相手に心からの感謝を伝えることで、もっとも効果的に「ありがとう」を伝えることができるのです。
もし今、あなたに感謝を伝えたい人がいる場合、ぜひこの3つのポイントを意識しながら感謝を伝えてみてください。少しむずかしく感じる時は、小さな感謝を伝えることから練習してみることをおすすめします。
何度も繰り返すうちに、自然とポイントを押さえた言葉を伝えることができるようになっていきます。
また、感謝の気持ちは、同じ内容を何度でも伝えて構いません。小さな感謝も、大きな感謝も、コツコツと心を込めて伝え続けることで、やがて大きな変化を生み出します。
文/森川陽介