仁志コーチが期待する2人の野手
「(昨年の秋から)いい方向にいっている選手もいますね。たぶん彼らは昨年のシーズンに入るときと今年では、立場上、当然気持ちの持ちようが違うので。昨年はレギュラーの選手がいないし、チームを何とか回さなければいけないので、『この選手、あの選手』と使っていったなかで偶然試合に出られた。
でも今年は彼らにとって『頑張れば自分がレギュラーとして出られる』と意識が違うはずです。それを少しでも多く持っていた選手が今、よくなっているんだと思います」
進行を担当した筆者が「長谷川と西川のことか」と確認すると、仁志コーチは「立場的に誰とは言えない」と答えたが、二人を指しているのは明らかだ。
現時点の実力や経験を優先すれば、上位打線に入って然るべきは源田、外崎だろう。「守備職人」というイメージの強い源田は昨年、リーグ9位の打率.264を記録した。一方、外崎は昨季規定打席に到達した23人で最下位の打率.227。
リーグ連覇した2019年に“山賊打線”の一員として打率.274、26本塁打を記録し、その中心だった秋山翔吾(現広島)、山川穂高(現ソフトバンク)、森友哉(現オリックス)らがフリーエージェント(FA)で抜けて以降は能力を買われて主軸を担った。
しかし外崎は、自分は上位を打つタイプではないと去年終盤に話している。
「以前ならこれくらいの成績でも、周りに打っている人がいたじゃないですか。山川さんとか浅村(栄斗。2018年オフに楽天入団)さん、森友哉。その人たちが点をとる人で、僕は点をとるタイプではないと思っています。
でも現状、そういう立場、役割に回らざるを得ない。点をとる立場になっていかないといけないと思いますけど、そう思いすぎても、ちょっとずつ自分のタイプとズレるのかな。難しいですね」
核になる選手がいないから、“誰か”を主軸に据えなければいけない。相次ぐ主力の流出と野手の伸び悩みが根本的な問題で、特に昨年は適材適所に反した起用をせざるを得なかった。
そうして最下位に転落し、西口新監督が就任した2024年秋。チーム再建へ打った一手が、外崎のセカンドからサードへのコンバートだった。32歳の外崎は守備の負担を軽減され、打撃の復調が期待されている。
6番サードで今季1号を放った3月30日の試合後には「再び上位打線を打ちたいか」と訊かれたが、マイペースな外崎らしい答えだった。
「ないっす。この3試合はあれでしたけど、オープン戦をやってきた中で打線の流れができていたと思うので。6番は、僕のタイプで任されたポジションだと思っているので」