入社後の登用において
さて、仮に過酷な選抜をくぐり抜けられたとして、いざ入社してからのことも考えてみましょう。昇級・昇格などの評価・処遇の情報はより個人情報かつ企業の秘匿情報ですから、公の情報はないことを先に断ります。
よって、公開されている入社後の配置や昇級・昇格の状況から事態を推察してみたいのですが、これまた学歴が何ら無縁だとは……おそらくほとんどの人が思っていないのではないでしょうか。卑近な例で言えば、日本の上場企業の社長の出身大学ランキングなるものを見てみるなり、なるほどなという感じがしてきます。
いやらしい話ですが、「上場企業」という序列を取り払って日本の社長輩出大学ランキングとしてみると、学生数の多い日本大学がトップに躍り出て、東大・京大あたりがすっかりなりをひそめる旨も触れておきましょう。
要するに、学歴(学校歴を含む)情報の価値づけというのは、企業の採用や昇格などを含む人事にまつわる意思決定においてなされているということです。それも暗に。
ただし、繰り返しですが、学歴は、その職業遂行のための要素(スキル)が分解・特定されている場合には必ずしも、最重要情報かのごとく参照されない点は強調してもしすぎることはないポイントです。
したがって、学歴という個人の情報が無効化されない要因の1つには、大企業を射程とした、企業中心社会という前提が潜んでいる、という点をまずは指摘させてください。
ここからは、さらに企業中心社会において、なぜ学歴という個人情報を無効化しない慣習が続くのか? に踏み込みます。論を先取りすると、日本型雇用慣習が、職務を特定しない方向で学歴の意味づけを強化しているメカニズムをお話します。
文/勅使川原真衣 写真/shutterstock













