マナー違反が横行するも…「温泉のルールはたくさんあってムズカシイ」 

外国人観光客は野沢温泉村に対してどう思っているのだろうか? マレーシアから来た30代男性はこう話す。

「雪を見るなら北海道まで行かなきゃいけないと思っていたけど、東京から新幹線でたった2時間半でウィンタースポーツができるなんてアメージング! 生まれて初めて雪を見られて感動したよ! でも、温泉のルールはたくさんあってムズカシイね…」

以前、ニセコにも行ったことがあるというイギリス人の30代男性もこう話した。

「ここはニセコと違って、東京駅から新幹線で気軽に来られるからいいね。野沢温泉村で1週間スキーを楽しんだ後は東京に戻って観光して、そのあと京都と大阪にも行く予定」

取材に応じる外国人観光客(撮影/集英社オンライン)
取材に応じる外国人観光客(撮影/集英社オンライン)

温泉街にいる外国人観光客に話を聞いたところ、5日~1週間の長期滞在者が多く、中には1ヶ月以上滞在するという人もいた。1ヶ月間滞在中のオーストラリアから来た30代女性に話を聞いてみた。

「毎年、野沢温泉村にスキーをしに来ています。ここは雪の質がすごくいいからオーストラリアのスキーヤーからも大人気スポットです。しかも、ニセコほど混雑していないし、無料で外湯に入り放題なのが最高! でも、お湯の温度は外国人にとって熱すぎるから水で薄めないと入れない」

とはいえこのところ、観光客のマナーの悪さが度を超えているとの声も。野沢温泉村で生まれ育った30代男性はこう話した。 

「一番困るのは観光客の“歩きタバコ”と“ゴミのポイ捨て”。温泉街のいたるところに喫煙所があるにもかかわらず、店や宿の前で平気でタバコを吸い、吸殻をポイ捨てする観光客もたくさんいます」 

散乱するタバコの吸い殻(撮影/集英社オンライン)
散乱するタバコの吸い殻(撮影/集英社オンライン)

また、野沢温泉村には外湯が13ヶ所あり、それらは古くから地域住民の共有財産とされているため、だれでも無料で利用できることから観光客に人気を集めている。前出の男性は、外湯でのマナーについてこう続けた。

「最近、大声で騒いだり、周りに人がいるのに立ったままかけ湯をしたり、温泉に水を勝手に足したりする人が増えました。もともと温泉は地元民の暮らしの一部だったのに、ゆっくり過ごせなくなってしまいました。

地域へのリスペクトがなく、ルールを守らない観光客にはうんざりです。スキー目的で来る人も地元の文化や特性を理解した上で利用してほしい」

その後、17時半頃になると日が落ちてきて、街中に“夕食難民”の姿が増え始めた。記事後編では、オーバーツーリズムによる飲食店不足の実態や日本人観光客の本音に迫った。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班