ゲーム配信者界隈の心をつかんだことで爆発的に伸びた「8番出口」
異変を見逃さないこと。
異変を見つけたら、すぐに引き返すこと。
異変が見つからなかったら、引き返さないこと。
8番出口から外に出ること。
2023年11月29日のリリースからわずか1年足らずで累計140万ダウンロードを突破。YouTube上では総再生回数1億回を超える実況プレイ動画がいくつも投稿されるなど、爆発的な人気を獲得した「8番出口」。
昨年の12月27日に東宝によって実写映画化が発表されて再び注目を集めているわけだが、本作がウケた理由はどこにあるのか。
「ゲーム実況配信と相性がよかったのは大きいですよね。異変を探すというシンプルなルールは間違い探しと同じで誰でも楽しめますし、配信者的にはコメント欄と会話しやすいモチーフでもあります。
そのほかで言うと、死体や殺人は描かれませんし、登場する怪異も血みどろの幽霊や怪物などではなく、通路に同化した人影や巨大化したサラリーマン風のおじさんなど、どことなくマイルド。このマイルドさが広く受けた一因でもあるのかなと」(禍話・かぁなっきさん、以下同)
本作はウォーキングシュミレーターと銘打たれているが、テイストとしてはホラーゲームに近い。マイルドさを保ちながら恐怖感を演出できている理由が気になる。
「同じ場所をループしてしまったり、怪異に捕まったときに場面がプツリと途切れてしまったりなど、夢の中のような空間表現が不気味さを掻き立てますよね。
こうした表現って誰でも共感しやすいものだと思います。そしてこの夢で見たような光景は今話題の“リミナルスペース”の概念にも通じるのではないでしょうか」