食い尽くす男がいない生活は素晴らしい

「元旦那はまさに食い尽くし系男子。それが原因で離婚しました」と話してくれたのは、松岡由良さん(29歳・仮名)だ。

現在は娘を育てるシングルマザーだが「食い尽くす男がいない暮らしは精神衛生上かなりいい」と微笑む。

マッチングアプリで出会った2人は、1年間の交際を経てゴールイン。おおらかな元旦那に惹かれたというが、交際中からある違和感を覚えていたという。

「外食するときなんですけど、2人でチキンが4つきたら“1人2つずつだな” って言わなくても普通わかりますよね?

でも旦那はそういうのはお構いなし。食べたいものを食べたいだけ食べてしまう。

刺身盛り合わせを頼んでも自分の好きな赤身や貝類は何も言わず全部食べて、嫌いなサーモンやブリだけ残すっていう(苦笑)。『一口ちょうだい』なんて、こちらの返答を待たずに半分以上食べてしまいますから」

当時の松岡さんはそういうところも「無邪気で可愛い」と受け止め、外食する際は予め定食にするとか先に自身で取り分けるなどしていたようだ。

「でも結婚したら、もうやばいなんてもんじゃないんです。冷蔵庫に入れてあるものは全て自分のものという感覚。

友人が引っ越し祝いや出産祝いで自宅に遊びに来た時に、持ってきてくれたケーキやお菓子も相手に出す前にほとんど食べちゃってて、私の分どころか友人の分まで足りなくなりました。恥ずかしいなんてもんじゃなかったです」

その様子を見た友人たちは「旦那さんちょっと変わっているね…」とドン引きだったようだ。

「旦那には『私が買ったものは食べる前に聞いて』『来客が持ってきてくれた手土産は先に出すから手をつけないで』『食べ物の数と人数をよく考えて』などと口を酸っぱくして教え続けました」

旦那は「わかりましたよー」と聞く姿勢は見せるものの、結局、数時間たてば忘れてしまう。さらに、松岡さんが許せなかったのは子どものご飯にまで手をつけ出したことだ。

「子どものミルクを『どんな味?』と言って哺乳瓶に口つけたり、子どもに騒がれまいと大人用よりも先に子どものご飯を用意したら自分の箸で食べる。子どもに取り分けたものも『食べないならパパ食べる!』と横取りしたり…。子どもの虫歯のリスクを考えて、大人の箸で突いた食事は一切食べさせないことにしてると、散々言っているのに全然直してくれなかった」

その他にも、お子さんが入院した際にもらったお見舞いも全て食べ尽くしたというからすごい。

「肺炎で入院した時に、退院間近だったのでうちの母が子どもの好きなフルーツや高級なケーキを買ってきたんですが、娘が寝てる間に全部食べちゃって…娘は起きてから号泣。

後日、母が『ケーキ美味しかった?』と、娘に聞いた時に真顔で『パパが食べたから知らない』と答えて唖然としていました」

食い尽くすことがやめられない旦那に諦めかけていた頃、旦那のある一言で松岡さんは「これはもう無理だ」と離婚を決意した。

「また娘のご飯に手を出して、私がそれを注意して1回下げて新しく用意してたら、娘はお腹が空いて号泣。

それを見て『俺が汚ねぇのかよ! ていうかさぁ、家にあるものは全部俺が好きに食う権利がある!』と言い出しました。

さらに『俺が家賃を出しているから来客のお土産も全て俺のものだし、冷蔵庫のものだって俺の働いた金で買ったものだろうが! いちいち食った食わないウルセェ!』とまで」

食い尽くすだけではなく、モラハラ発言も許せなかったそうだ。

「意外と離婚はスムーズにいきました。元旦那も1人暮らしの方が性に合っているんでしょう」

離婚後、実家に帰り再就職活動をしたりと大変だったというが「本当に離婚してよかった」としみじみ語る。

「何より娘の教育上よくない。これから他人と食事をしたり、家庭での食事の話をするときに、自分の父親が自分のものまで食い尽くす卑しい男性だってことはマイナスでしかありません。物心つかない前に離婚できてよかったです」