「全国民が見てるんですよ」「正直に言いなさいよ」
フジは冒頭の説明で、中居氏の認識はA子さんのものとは「異なっている」と説明した。会見中盤はこれが何を意味するのかを巡って紛糾、怒号が飛び交っていっそう騒がしくなった。
全国紙の記者から中居氏の主張の意味を問われた遠藤氏は、「意思の一致か不一致かということ」と一時回答。2人の間に起きたことについて中居氏が「同意の上だった」と主張しているのかという確認を求める問いにも「その通り」と答えた。
ところがこの後、メモを差し入れられた司会者が遠藤氏の発言を「訂正する」と表明。遠藤氏も自身の発言を「撤回させてもらう」と言い出したところ、記者席からは、
「ヒトをバカにするのもいい加減にした方がいいんじゃないか」
「全国民が見てるんですよ」
「正直に言いなさいよ」
と大声が飛んだ。遠藤氏は撤回の理由を「踏み込みすぎた発言をした」と説明。
これを聞いた記者のひとりは「“人権侵害の可能性”があるとフジテレビも疑っている行為を中居氏が否定しているとの事実は、きょうの会見で新たに分かった最大のポイントでした。いったん認めたその事実に関する説明を引っ込めると言われたことで、抗議の声が出たんです」と指摘する。
質問者が代わり別の話題へ一度飛んだものの、フリーの男性記者が再度「(ふたりの認識は)一致なのか(一致しているのか)、不一致なのか」と遠藤氏に問い直し問題が再燃。
「(ふたりの間に)同意があったのならなぜ(嘉納会長と港社長は)辞めるんだ」とのヤジが飛ぶ中、会社側は「遠藤がなぜそんなこと言ったのか私には分からない。会社としては言うべきではなかった」(金光氏)と徹底抗戦。
20分前後に及んだこのやりとりでフジ側は遠藤氏の発言を撤回するという姿勢を守り続けた。
午後9時52分。開始から6時間が経つのを前に司会者が休憩を提案。この時までに質問に立った記者は少なくとも54人に達していた。
壇上の5人も記者側も、ミネラルウォーターを時おり口に含むだけという過酷な環境での攻防は、たった14分の休憩をはさんで再開され、その後も質問を求める記者の手が延々と上がり続ける。