「もう俺がコミッショナーをやるしかない」
――「メジャー挑戦」という言葉に重みがなくなってますね。
今の制度はMLBにしかメリットがなくて、NPBがマイナー化しちゃってる。そんなことでいいの?って思うよ。
今はお客さんも入って儲かってるからいいけど、来年にヤクルトの村上(宗隆)、再来年に巨人の岡本(和真)とどんどんアメリカ行っちゃったら、名前も知らないやつばかりになる。そしたらお客さんが来なくなるんだから今のうちに手を打たなきゃいかん。
――江本さんならどのような対策を?
独立リーグの選手がNPBに支配下でドラフト指名されたら、契約金などの一部を移籍金として独立リーグに支払う必要がある。
ポスティングも譲渡金を球団だけでなくポスティング基金としてコミッショナーに入れて、それを少年野球なりお金のない野球界に分配する……というのが私のひとつの案。まあアメリカ側が嫌がる可能性があるけどね。
――さすが元政治家です。
こういうことを考えられる俺がコミッショナーをやるしかないよ(笑)。
―― 一方で野球のルールに関しては改革が続きます。変わりゆく野球について思うことは?
俺のまわりもみんな「時代だから……」って言っていて、そのとおりだしそれだけの話だね。
ただ、ルールの変更もそうだし、投球数とか選手へ過保護に扱いすぎて、成績のいい人が出てこなくなる。そうすると、選手全員の目標が低くなるよね。なのに給料だけは上がって、そのへんのギャップには違和感があるよ。