「まだ東京でがんばりたい」から一転。田舎町でのダンス動画が話題に

2021年1月からYouTubeチャンネル「農園」に“踊ってみた動画”を投稿し続けているダンサーの相良真美さん(27)。果樹農家を営む実家の畑や作業小屋、和室を背景に、畑仕事用の帽子や長靴を身に着けてダンスする姿が、いま話題を集めている。

彼女の動画に対し、YouTubeやSNSには、「キレキレでダンスしている後ろで、家族が猫と遊んだり作業したりしているギャップがいい」「ダンスのクオリティがめちゃくちゃ高い」というようなコメントが多く寄せられている。

現在はYouTuberとして活動するだけでなく、地元・山梨県の4つのダンススクールで講師を務める相良さんに、動画投稿を始めたきっかけを詳しく聞いてみた。

ダンス講師として活動しながら、YouTubeチャンネル「農園」を運営するダンサーの相良真美さん(写真/本人Instagramアカウントより)
ダンス講師として活動しながら、YouTubeチャンネル「農園」を運営するダンサーの相良真美さん(写真/本人Instagramアカウントより)
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――相良さんのYouTubeチャンネル「農園」が大人気となっていますが、そもそもYouTubeを始めたきっかけは何だったのでしょう?

相良真美さん(以下、同) YouTubeチャンネルを開設するまでは、東京でダンサーを夢見て一人暮らしをしていました。そのあと地元・山梨県甲府市にUターンで帰省したとき、「田舎の風景、めっちゃきれいだな」って思ったんです。

それで実家で何か新しいことを始めようと考えたときに、「ここでダンス動画を撮ったら、都会のスタジオで照明を浴びてダンスするのとは違った良さが表現できる」と考えたんです。

それがきっかけで、「農園」での活動を開始しました。チャンネル名は、本当にテキトーに考えたんです……まさかここまでバズるとは思っていなかったので(笑)。

実家の果樹農園でダンスする相良さん(写真/本人YouTubeチャンネルより)
実家の果樹農園でダンスする相良さん(写真/本人YouTubeチャンネルより)

――もともとは東京でダンサーを目指していたそうですが、ダンスを始めたきっかけは何だったのですか?

3歳年上の姉がクラシックバレエをやっていた影響で、私も4歳からバレエ教室に通い始めたんです。中学生からはダンスも習い始め、高校に入ってからは地元のダンスコンテストで入賞したこともありました。高校卒業後は上京し、ダンスの専門学校に進学しました。

――専門学校卒業後は、どのように過ごされていましたか?

ダンスを続けるために居酒屋、飲食店、アパレルの3つのアルバイトを掛け持ちしながら生活していたんですが、ダンサーとしての仕事はほぼなくて……。その状態が、卒業後4年間続きました。まわりのレベルの高さを痛感し、生活も苦しく、節約のため電気を消した部屋でひとり泣いた日もありました。

――その後、地元・山梨県甲府市にUターンしたきっかけは何だったのでしょう?

4年ほど前に「このままじゃ嫌だ。本気でダンスを仕事にしたい」と思い、実家に戻ってきました。もともと「将来的には地元でダンス講師がしたい」という思いもあり、「これからはダンスで地元に貢献しよう」と決心したんです。

果樹農園だけでなく、自宅の和室で踊る様子も(画像/本人YouTubeチャンネルより)
果樹農園だけでなく、自宅の和室で踊る様子も(画像/本人YouTubeチャンネルより)

――東京を離れる際、葛藤などはありませんでしたか?

もちろん、最初は「地元に帰りたくない」「まだ東京でがんばりたい」という気持ちがありました。でも、今では地元で家族と楽しく暮らしながら、ダンス講師やYouTubeの活動に取り組む日々がとても充実しているので、地元に戻ったことを後悔したことは一度もありません。

それに、実は今でも月に2回ほど東京に行き、ダンスのレッスンを受けているんですよ。もし今後、チャンスがあれば東京でダンスの仕事にも挑戦してみたいと思っています。