「1番は遊ぶこと。2、3番が仕事」

火野は、20代から40代まで約2000人の女性ファンが詰めかけたコンサートの挨拶で、開口一番にこう言った。

「今晩は、火の車です」

この挨拶には女性ファンも大爆笑だったようだ。まもなく愛人女性との間の子どもが産まれるというときに別の女優との噂が出たことに対して、火野氏は上記のようなジョークをかましたわけだが、なんとも堂々としたものである。

コンサート直後の直撃にもこう答えている。

「週刊明星」1985年5月23/30日号より(撮影/今津勝幸)
「週刊明星」1985年5月23/30日号より(撮影/今津勝幸)
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「まわりが騒ぐだけで、おれはカンケイないよ。(A子は)元気だよ、もう赤ん坊が出かかってるんだよね」

2009年のスポーツ新聞へのインタビューにもこう飄々と答えていた火野氏。

「『最低の女』と『最高の仕事』のどちらを選ぶかって聞かれたら、最低の女に決まってるだろ」。そして、「1番は遊ぶこと。2、3番が仕事。芸能界には『いい人いい役者にあらず』って言葉があるんだ」。

芸能界を遊び尽くした男が逝ってしまった。謹んでご冥福をお祈りいたします。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班