事件後「犯人はアイツしかいないだろ」と言われていた

中学卒業後に会うことはなくなったが、母親同士が仲良かったため、時おり勝田容疑者の話をする機会はあったという。

「彼が高校卒業後に事件を起こしたと母親から聞いて『は? 嘘だろ。あいつが』としか思えませんでした。彼が最初に逮捕されたのは小学生の腹を殴ったという事件でしたが、以前の彼からはそういう暴力性は全く感じることはありませんでしたから。

ただ、町内会長や自治会の役員を務めていた彼のお父さんがこの事件の直前、地区の集会で『わしもう辞めるんや。今日で辞めるねん』と言い出したことがありました。責任感も強く人望もある人だったので、『何で突然?』と近所が騒然とした直後に彼が逮捕されたんです」

水泳部だった勝田容疑者
水泳部だった勝田容疑者

刑事でもあった父親は、息子に捜査の手が及んでいるのを知っていたのだろうか。初犯ということもあってか、勝田容疑者は保護観察付きの執行猶予判決を受けた。今から24年前のことだ。

「彼のお母さんはその後もウチの母親に会うと『州彦は今海外に語学留学してる』『就職して働きだしたの』と以前と変わりなく、気さくに話をしてくれたそうです。お母さんは彼が更生して、もう二度とそういうことはやらないと信じていたんじゃないでしょうか。

そうこうしているうちに、他にもたくさん余罪があるみたいな話になり、驚きました。最後に彼の話を母から聞いたのは、5、6年前の事だったと思います」

男性が勝田容疑者の姿を最後に見たのは、高校時代の通学時だったという。中学時代と特段、見た目や印象が変わっていたこともなかった。

「僕自身は彼が自傷行為をしていたのも知りませんでしたし、昔に楽しく遊んだ記憶しかありません。中学生の同級生とも結婚式などで会う機会がありますが、やはり彼の話になると『ああ……。おとなしいやつだったよな』とか『なんであんなふうになったんだろうな』と話題になりました。

ただ、今回の逮捕された事件に関してはもうずっと前から同級生の間でも『犯人はあいつしかいないだろ』と言われていました。小さい女の子にあんなひどいことをできるやつが世の中にいっぱいいるのは怖いし、いてほしくないという思いがあったんです。

いつか彼に会えるなら話をしてみたいという気持ちがあった僕ですら、今はもう関わりたくないという気持ちの方が強いです。僕にも被害に遭われた方と同年代の子どもがいるので、その子たちのことや残されたご家族のことを思うと苦しくてたまらないのです」

家族ぐるみで付き合いの深かった幼なじみをも苦しめる、勝田容疑者の常軌を逸した犯行の数々。その詳細に明らかになるのはこれからだ。

 

殺害された柚希ちゃん
殺害された柚希ちゃん
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班