万博を控え、街全体に広がる不安

ただ、松島新地は世間を騒がせた「捕り物」の舞台になってしまったほかにも、ここ最近は受難が続いている。2021年12月には店舗2棟が燃える火事が起き、木造家屋が密集する地域が抱える防災上のリスクを指摘する声が上がった。

さらに、懸念されているのは、来年に開幕が迫った55年ぶりの大阪での日本国際博覧会(大阪・関西万博)が及ぼす影響だ。

大阪・関西万博予定地の夢洲
 
大阪・関西万博予定地の夢洲
 
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前出の地元関係者は「国際的なイベントがあると真っ先にやり玉に挙げられるのが風俗街です」とため息をついて続ける。

「東京五輪のときは全国有数のソープ街である吉原でも存続を危ぶむ声が上がりましたが、大阪では実際に1990年の『花の万博』を前にした浄化作戦で、大阪・ミナミのソープランド街が一掃された過去があるだけに、いつ行政が整理に乗り出してくるのかと不安は尽きません。今回の騒動もあっただけに街全体に危機感が広がっているのが現状です」

昭和、平成、令和と「花街」の歴史を刻んできた松島新地。儚く揺れる街の灯はこのまま消える運命なのか。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班