容姿にコンプレックスを抱えていた時期も「メイクさんになってやっと見返せる」
──そんな経験が…。「茶化すように」とおっしゃっていましたが、容姿でいじめられることもあったんですか?
別にいじめとかではなかったですね。私も結構ポジティブに言い返しちゃう性格なので、「あいつには反撃されるからやめとこう」みたいな(笑)。
他人の容姿に対してあれこれ言う人には、当時から面と向かって指摘していました。どんなに周りが賑やかな雰囲気でも、本人が笑っていても、相手を傷つけるような発言をする人には、場の空気を壊さない程度に注意していました。そうしたこともあって、次第に私に対してそういう発言をする人はいなくなったんだと思います。
ただ、仲いいからこそイジられてしまうというときもあったので、余計に「本当に傷ついた」とは言えないときもあって…。だから家に帰って、すごく落ち込むこともありました。今でも「誰から、どういったシチュエーションで言われた」ということを、鮮明に覚えています。
──そうした経験は、現在「見返してやろう」という気持ちにつながっていますか?
そうですね。容姿を揶揄してきた人たちの顔と名前は、私、本当に全部覚えているんです。このチャンネルがどんどん成長するにつれて、そうした人たちに対して「メイクさんになって、やっと見返せる」という気持ちは、正直少しありますね。
──当時の同級生から連絡がくることもあるのでしょうか?
はい、めちゃくちゃあります(笑)。揶揄してきたような人たちとはSNSでつながっていないんですが、友人たちは「見てるよ!」「チャンネル伸びてるね」と、とても応援してくれています。
もともと、このチャンネルはたくさんの人に見てもらいたいという気持ちがあったので、個人の連絡先やSNSを通じて「チャンネル始めたから、みんな見て!」と発信していました。だから、動画配信を始めた当初から見続けてくれている人も多いみたいです。それに、私は友人にも「メイクで生きていく!」とずっと言っていたので。
──有言実行ですね。実際に有名になってみて、どのような部分でやりがいなどを感じますか?
メイクアップアーティストとしてモデルさんにメイクをさせてもらったとき、「めっちゃ変わった!」って言ってもらえる瞬間があって、それが本当に楽しいし、とてもうれしいですね。この“メイクで変われる楽しさ”をもっとたくさんの人に届けたい。YouTubeチャンネルを作ったのも、「みんなでメイクを楽しもう!」という気持ちが根底にあるからなので。
見た目について揶揄されたときの心の傷って、私も含めて、どれだけ時間が経っても、なにを経験しても、完全には消えないと思います。でも、メイクを通して少しでも前向きになってもらえたらいいなと。その気持ちが、やっぱり一番大きいですね。