「当選しなければよかったとは思いません。でも…」
「残高がほぼゼロになってからは、質素な生活をしながら、投資を本格的に勉強して少しずつお金を増やしていって、一時は3千万円くらいは持っていたんですが、今年8月の歴史的な株価下落で大半を失い、完全に詰みました…。
来年の年末で会社は定年退職なんですが、その後は金も職もない貧困老人マッシグラになりそうな予感してます、トホホ」
聞けば今も、毎週ロト6を買い続けているという。「夢をもう一度」ということなのか?
「2005年の当選以降もずっと買ってます。もはや習慣というか、惰性ですね。話題になった人の誕生日の数字とかを中心に、5口千円買う程度ですけど。でも、なにかの間違いでもう1回1等が当たったら、少なくとも20年前よりかはうまくお金を使う自信はありますね(笑)」
この20年で「人生の酸いも甘いも味わった」久慈さん、再びロト6で3億2千万円が当たったとしたら、どう使うのだろうか?
「もう還暦手前ですから、車や外食、オネーチャンにはあまり興味はないですね(苦笑)。今だったら投資信託にある程度のお金を入れつつ、投資としてロレックスでも買いまくりますかね(笑)。
ただ、ネットとかを見てると、今、3億円持っている人ってゴロゴロいるじゃないですか。その意味では20年前の3億円って、ひょっとしたら今でいうと30億円ぐらいの価値があったようにも思うんです。そう考えるとよけい、自分はもったいないことしたなって…。
その間に円もどんどん弱くなってしまいました。昔はプーケットとかに行くと、日本人っていうだけであちこちから声をかけられましたけど、今はほとんどかけられないみたいです。それ以前に、日本人が海外に行ってないっていうのもあるみたいですけど」
久慈さんに「もし、2005年にロト6に当選していなかったら、今、どんな生活をしていたと思うか」と聞いてみると、意外な答えが返ってきた。
「当選してなかったら、今、もっとお金を持っていたと思います。当選する前は、安月給ながらも着実に毎月、貯金をしていましたし、投資に手を出すこともなく、お金を粗末に使うこともなかったと思います。きっと老後の蓄えもしっかりできていたことでしょう。
だからって、当選しないほうがよかったとは思いません。やっぱり、お金を得たからこそ見られた景色というのは、たくさんあったと思いますし。まぁ、その分、人間不信にはなりましたけど」